間取り

間取りで理想の家事動線・生活動線を考える。

投稿日:2022/07/10 更新日:

初めに、家事動線・生活動線に関しては、色々な考え方があります。

ヨーロッパなどの昔の家がそのまま残っているところでは、『不便を楽しむ』という考え方があったりして、家事動線などはあまり考えられていないケースも多いです。

また、多少なり動線計画で不都合があったとしても、

  • デザインを優先した方が良い
  • 生活動線よりも日当たりや風通しを優先して考えるべき場所

も出てくると思います。

昨今の日本の家づくり、間取り提案は、とにかく家事動線・生活動線が大切!!となっていますし、その中でも、“回廊できる動線”が良しとされる風潮があります。

ですが、上記のように、大切さの尺度はそれ以外にもあり、家事動線・生活動線だけを盲目的に考えずに、いろいろな観点から見て、総合的に間取りをみるべきだと思います。

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間取りから生活動線・家事動線を考える

はい、そういった前提で、の話です。

毎日の生活を考えて、間取りの上で動線を考えるのは大切な家づくりの過程でもありますので、先ずは考え方の基本をおさらいしていきたいと思います。

  • 春・夏・秋・冬でそれぞれ、朝ベッドから起きてから、
    寝るまでの生活を間取りで想定してみる。
  • 人が年を重ねていく事で変わる生活スタイルも想定して、
    10年後、20年後、30年後を間取りから想定してみる。

と、最初は大きく考えてみましょう。

そこから、さらに細かく考えていきます。

例えば、

  • 冬の寒い時期、さらに天気の悪い日、お子様と一緒にスーパーに買い出しに行って帰ってきた時の動線はどうか。
  • 子供が小学校から帰ってきて、ランドセルをどこにおいて、手洗いうがいをする場所を考える。
  • その後に宿題をどこでやるか、その場所で筆箱を出して、鉛筆を削る、、、といった勉強グッズはどこに置けばいいか?

そういった細かい生活シーンを考えていくことで、どこに何を置くか?というものの置き場も大切になっていきます。

これをあれこれ考えるには、とても一日で網羅できる量ではありません。

また、すべてを完璧に叶える家というのは、もしかすると難しいかもしれません。

とにかく、建築会社さんから提案をもらった後、ゆっくりとその間取りを眺めながら、色々なシーンを考えてみてください。

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家事動線・生活動線の基本は“一筆描きができる”

そんな生活をイメージしつつ、ここで、冒頭でご紹介した話です。

生活動線を間取りで考えていく中で、生活のしやすい間取りの基本は、一筆がきができる間取り、です。

形はいびつでも〇を描いて元の位置に帰ってこれる動線ができると、動きに無駄のないものになります。

例えば、

家事動線が悪い間取り

このような間取りは、キッチンへのアクセスが悪く、動線が悪いといえます。

特にキッチンは、家事をするときのベースの立ち位置になる為、とても心配な間取りになります。

そこで

↓一筆書きができる動線↓

一筆描きができる家事動線の間取り

このようにキッチンをアイランドにすることで、二方向からのアクセスが可能になり、動線が良くなります。

という話が“一筆書きができる間取り”になります。

、、、確かに良い間取りにはなります、、、が、例えば、予算UPを抑えるため、家をできる限り小さくした場合、

↓なるべく家を小さくしつつ家事動線を考える↓

家事動線を考える

このようにする事で、家事動線が良い、という話まではいきませんが、悪くない動線計画になり、一つの方法です。

はい、という事で、“家事動線・生活動線を最優先にしない場合も考える”意識を持つことも必要だったりもします。

(動線をメインで考えてしまうことで、通路のスペースが多くなってしまう事も考えられます。)

  • 本当は収納をもっと増やすべきだけど、
    動線を優先したが故にそのスペースがない。
  • ここは、二つの入り口があるけど、
    本当に必要なのか?

などは、盲目的にならずに検討していきましょう。

家に備えられている設備の仕様がよくなっていき、それに伴い設備価格が上がっていること、物価上昇などで緩やかに上がっている物価や人件費などを考えてみると、“いかに無駄のない、コンパクトな家を作れるか?”は、今後、動線よりも家づくりの重要な要素になりえます。

また、そういった考えで言えば、例えばですが、40・50年後の老後の心配をして、通路のスペースを必要以上に広くとる事もあまりお勧めではありません。

それなら、通路をなるべく少なくする工夫が先ず第一で考えるべき内容です。

あくまで、動線は大切だけど、それが絶対ではない、という意識で間取りを検討していっていただくと、バランスの良い、納得のできる間取りになるようにも感じます。

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どんな生活シーンを考えればいい??

という事で、ここからは、生活動線・家事動線を考える上で、色々な生活シーンをお伝えして、ご自身で考えていただくきっかけになればと思います。

【子供の進学(成長)に合わせて考える】

  • 幼稚園・保育園での生活
  • 小学校は低学年と高学年で別けて考える
  • 習い事をしたとき、それを家の中でどこにもっていくか?も考える
    (ピアノだったら、どこに置く?(電子ピアノ?とかも含めて))
  • 夏休みなどの長期休みの生活も考える
  • 中学生以降は大人と同じように考えても良いかと思うので、適切な収納計画があって、動線が悪くなければ問題ないかと思いますが、中学受験、高校受験、大学受験とどのような感じになるか?などもある程度イメージはしておきたいところです。
    (それに合わせて、例えば、リビング内の階段にするかどうか?や子供部屋の活用をイメージしてもらうと良いかもしれません。)

【春夏秋冬で考えてみる】

  • 季節の催事:ひな祭り、七夕、クリスマス、年末年始
  • 季節に応じて必要になる、扇風機や暖房機器、加湿器や除湿器などの配置はどこに?
    (今はウォーターサーバーなども配置を考えておきたい機器です。)
  • 衣替えが必要なタイミング(特に冬場)は、それぞれの収納計画も考える。
    (衣服だけでなく、カーテンを季節で替えたりすることも考えてみましょう。)

【朝と夕方のバタバタしたタイミング】

  • ランドセルやカバンなどの置き場
  • 鍵置き場はどこにする
  • 帰宅時は、ほこりを払って、靴を脱いで、カバンをおいて、手を洗う動線
  • 次の日の準備をするなら、各部屋までの動線
    (二階の子供部屋は階段から近い方が良いと言われています。)
  • 朝洗面で顔をあらって、、着替えたり、準備するときに、時間帯が被るのであれば、洗面が二つあったり、鏡が大きくあったりした方が良いかもしれません。
  • 夜はご飯を食べて、お風呂にはいって、(洗濯をまわす?)などの動線を考えてみる

【来客の有無】

  • 子供の友達が遊びに来た時
  • 両親が泊まりに来た時(最近は泊まることも少なくなったとは思います)
  • ママ友・会社の同僚などが来た時(全く呼ばないという選択もできそう。)

などをイメージしておくと良いかと思います。

ちなみに、こういった生活イメージに合わせて、動線計画を考える時に、一番重要なのは、適材適所の収納計画です。

収納に関しての話は、別ページ(収納は15%以上、、、)でしていますが、

【収納について】

  • 季節ものや、水やトイレットペーパーなどストックしておきたいものなどをどこにしまうか?
  • 冷蔵庫だけじゃなく、冷凍庫は不要(冷蔵庫は一つでOK?)
  • 趣味がある方はその趣味のものを家族が邪魔にならない場所にどうしまうか?
  • 大き目の家電(扇風機、掃除機、ガスファンヒーターなど)をどこにしまうか?

も考えてみましょう。

適材適所の収納計画で一番良いのは、洗面やキッチン、リビングなどの各場所ごとに必ず細かい収納を一つは設けられること、こちらを意識していただくと良いかもしれません。

(*置き家具などで収納を補うこともできるので、スペースとして考えてもOK)

はい、そういった色々なシーンをイメージしながら間取りを考えてもらえればと思います。

最後に、冒頭の話に戻りますが、家事動線、回廊動線を優先させすぎないように、です。

ではでは。

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