間取り

ずっと住み続けられる、住み心地の良い家にする!

投稿日:2022/08/07 更新日:

いきなりですが、家づくりを考える時に、考えるべき一つに“家の耐久性”があります。

デザインが良くても、間取りが良くても、金額が安くても、耐久性が良くなければなんの意味もありません。

昔、とある建築家の先生が、

『もし、私が家を建てるなら、、、そして、家を中途半端にしかこだわれないのなら、超ローコスト住宅を建てて、それを20年から30年後にもう一度建てるようにすると思う』

と言ってました。

そういう考えもあります、、、が、それが本当に正解なのでしょうか。

“家は建てて終わり”ではなく、むしろ、“新しい家でどのような生活ができるか?”の方が重要です。

例えば、

家の中の快適さを考えれば、

  • 夏涼しくて、冬暖かい家で50年暮らすか
  • そうでない家で50年暮らすか

を考えれば、その50年間の違いはとても大きなものになります。

夏の涼しさ、冬の暖かさを考えれば、断熱材や窓の性能、庇計画をこだわるべきです。

また、断熱材自体の経年変化を考えればグラスウールは少し懐疑的に感じます。

例えば、

LDKの広さを考えれば、

  • 大きく開放的なLDKか
  • 畳数も窓も小さいLDKか

を考えれば、多少でも大きくとっている方が快適に過ごせますし、窓の大きさや配置の仕方でも解放感は変わります。

狭いな~と思って50年暮らすのは想像するとすこし辛いです。

例えば、

家をできるだけお値打ちに建てる為に、構造材をケチった家にしたら、20年後の耐震性能が心配だったりもします。

例えば、

家が安くなるからといって、庇の計画をないがしろにすれば、必要以上に外壁は汚れますし、劣化もします。

例えば、

家の価格を落すために、家の面積を削ったり、中の仕様を削るという事もあるかもしれませんが、その中で、50年間の暮らしを考えたら、削っていい所とそこは頑張りたい所の見極めは必要だと思います。

その他にも、フローリングや壁紙、キッチンやお風呂など、ずっと使い続けることを考えれば、コストを抑えることが必ずしも正解という話にはなりません。

さて、話を戻します。

もし、その先生が言うように、20年後に建て替える計画をしたとして、本当に建て替えることができるでしょうか?

住宅ローンを20年後に組みなおす、、、不動産価格の上昇や物価上昇が続けば、買った時と同じ金額で売れる可能性もありますが、

それでも、そのタイミングで住宅ローンを再度35年間組むことは難しいと思うので、期間を20年ぐらいに短くしたとすると、当然ですが、今までの毎月の返済額が二倍ぐらいには増えてしまいます。

その前提の上で、家の性能や住み心地が劇的に向上するのであれば、もう一度買うというのは一つの案ではありますが、単純に同じローコストの家をもう一度建てるという事は現実的ではない気もします。

だからこそ、基本となる考えは、

その家がずっと住み心地が良く、ずっと住み続けられる

をベースに考える必要があるように思います。

***

50年後もずっと住んでいられる家づくりを考える

はい、という前提のもとで、少し具体的にどのように家づくりを考えていけばいいのか、しいては間取りを考えていけばいいのかの話をここでしていきたいと思います。

もちろん、今から話をする内容は、前述している家の価格の問題も出てきますので、すべてをかなえようと思うとそれは難しい場合も多いと思います。

あくまで、大切なのは、自分たちの中で優先順位を決めることではあります。

これからお話するのは、その選択の幅を知ってもらうきっかけとして、また選ぶ意識を持ってもらうための話です。

***

断熱性能の良い家

先ずは、家の断熱性能からお話をします。

断熱性能を考える時に一番優先すべきは“窓”で、家の半分以上の熱の移動は窓からと言われています。

その窓を考える時は、

  • 窓の仕様
  • 窓の総量

の二つが大切で、1つ目の窓の仕様に関しては、

  • アルミのペアガラス
  • 外側がアルミで中が樹脂のペアガラス
  • 外側も内側も樹脂のペアガラス
  • 樹脂のトリプルガラス

といった順番に性能が高くなっていきます。

各社の標準仕様を確認する必要はありますが、今はローコスト系の住宅でも2の“外側がアルミで中側が樹脂のペアガラス”が多く採用されている状況ではありますので、これはそれぐらいの感覚で良いようにも思います。

また、二つ目の窓の総量も大切で、家一軒の窓の面積を4分の1減らすことができれば、家の断熱性能は12.5%向上します。(単純に窓の断熱性能を50%で計算して)

これはどこにどんな窓をつけるか?必要か?を間取りと共に、メリハリをつけて考えていけばできる話です。

また、もう半分の断熱性を考えると、断熱材に何をつかうかはとても重要です。

今日本で一番多く使われているグラスウールに関しては、私としてはかなり懐疑的な思いがあって、新築当初はよくても、

  • 家の施工が悪ければ5年後には
  • 普通の施工でも10~15年後には

断熱性能は10~15%ぐらいは失われているように感じます。

*ほとんどの原因はグラスウールの断熱材が湿気を含んで垂れ下がったりすることで、壁の中で均一に断熱が出来なくなることです。

そういった意味で考えると、50年後の家の断熱性能を考えればしっかりと50年間断熱効果を発揮する断熱材を採用すべきだと感じます。

グラスウールは一番安価に施工できることから、多くの会社さんが採用をしていますが、例えば、その他の断熱材にすることで、30~50万円UPぐらいで済むことが殆どです。

50年間の快適性や光熱費の削減などを考えれば、決して高いものではないかと感じます。

***

圧迫感のない家

ずっと住み続けられる家にするのであれば、間取りも考える必要があります。

土地の大きさや家の価格を考えて、今の家づくりの基本は、“コンパクトに間取りをまとめる”ですが、単純にキュウキュウな家にするのではなくて、如何に解放感をだして、気持ちい空間にできるか?は、創意工夫で解消できることが殆どです。

この創意工夫と価格UPのバランスを取りながら、考えていけるかどうかも長く住むなら大切な要素です。

ここら辺は実際の間取り提案を見ていただき、どうやって考えているか?を学んでいってもらえたらと思います。

ここで一つ言えることは、家の畳数で間取りを判断しないこと、になります。

『LDKが18帖あれば良いよね』といった話ではなく、16帖でも広く見せる方法はありますし、20帖でも狭く感じる間取りもあります。

***

可変性がある家

50年、60年とその家で生活をすることを考えれば、可変性を持たせることも重要です。

  • リフォームしやすい構造になっているか?
  • 将来のリフォームまで考えた間取りになっているか?

は考える必要があるかと思います。

場合によっては、単世帯→二世帯同居になる事もありますし、その逆もあり、増築や減築なども考えられると良いように感じます。

因みに、バリアフリーに関しては、今の家づくりであれば、基本的には段差のない設計になっていますので、車いすでの生活や介護が必要な場合を除けば、そこまで気にする必要はありません。

『将来、、、50年後に車いすでの生活になったら、廊下も広い方が良いよね。』

という発想になりますが、単純にそれだけを考えると家がどんどん大きくなってしまいますので、それよりも、先ずは廊下を極力少なくすることを第一で考えるべきですし、もし、そのような事態になった時に家をリフォームできるような間取りにしておく事が大切です。

***

メンテナンス費用は残しておく

はい、上記のバリアフリーの話の続きでもありますが、家に住み続けていけば、どんな家でも必ず!20年後、30年後、40年後、いづれかのタイミングで大きなリフォームやメンテナンスの為のリフォームは必要になってきます。

その際に、

  • 可変性のある家であること
  • 断熱性能などの基本性能が高いこと

は大切な要素になるのは言うまでもありませんが、それと共に、

  • 家の劣化スピードを遅らせる設計になっているか?

も大切です。

これは、先ほどお伝えした断熱材が大切なのはもちろんですが、屋根の庇計画が私としては一番重要だと感じており、庇をしっかりと出せている家は長く持ちます。

そういった話はもちろんのこと、定期的な家の点検をしてもらうこと、また、その際のメンテナンス費用が適正価格で抑えられている事も、とても重要です。

(建築会社さんの中には、普通の金額の1.5倍ぐらいのメンテナンス費用を取る会社さんもいますので、そういった後々かかる費用の違いも計算として考えておくべき話かと思います。)

  • A社さんの外壁の再塗装費用:150万円
  • B社さんの外壁の再塗装費用:100万円
  • C社さんの外壁の再塗装費用:95万円

と同じ外壁の再塗装で比較しても、違いが出てきますので、この違いも本当は検討すべき項目になります。

はい、このような話の中で、一番大切なのは、そのメンテナンス費用をある程度余力として残しておくこと、になります。

車のエンジンオイルも同じかもしれませんが、家も『今はお金がないから、外壁の塗り替えは2年後にしよう』とメンテナンスを先延ばしにすることも自分の判断できてしまいます。

ですが、それが一番劣化スピードを上げてしまう事でもあります。

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家の住み心地やデザイン

住み心地を考えるのであれば、

  • 自然素材の床(無垢のフローリング)
  • 壁紙を漆喰

にしたりして、呼吸する家にすることも考えるべき話かもしれません。(漆喰じゃなく、エコカラットでの対応という話でも良いかもしれません)

ここら辺は違いがなかなか伝わりづらい所ですが、自然素材を使う事の家の空気感は全然変わります。

また、飽きのこないデザイン、設計もずっと住み続けることを考えれば重要です。

デザインに関しては言葉での説明が難しいのでサラッと書いていきますが、

  • 建てた瞬間から中古に見える家
  • いつ頃建てたか分かるような流行にのった家

などはできれば避けたい所です。

ずっと心地いい家づくりを考えて、住まい続けられる家づくりを考えるきっかけにしていただければと思います。

ではでは。

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