間取り

家づくりの日当たりを考える!!

投稿日:2022/06/25 更新日:

理想の家づくりの為に、色々な間取りのご紹介をしつつ、時々このような形で家づくりの間取り設計に対しての考え方も話をしていますが、今回は間取りで最も重要視される“日当たり”に関しての話をしていきたいと思います。

明るさの調整

***

日当たりは方角が大切??

さて、日当たりを考えることは、間取りをつくる上で最も重要な要素になるのは、皆様もご理解いただけるところかと思います。

そして、この日当たりですが、インターネットで『家づくり 日当たり』と検索してみると、出てくる内容は、方角のメリットデメリットが多く、どの部屋をどの方角にもっていけばいいか?の内容が多いです。

、、、

もちろん、部屋の配置を考えるうえで、東西南北のどの方位に部屋をもっていくのかを考えることは大切で、基礎知識としては必要かとは思います。

ただ、例えば、西側に部屋を持って行ったとしても、西日が気になるようであれば、そもそも西側に窓を設けない設計をすれば済む話でもあります。

ですので、

日当たり=各部屋をどの方角にもっていくのか?

という考えは、あまり単純に結論づけてはダメなようにも感じます。

また、少し別の観点からですが、方角を決めるときに日当たり以外の要素も当然ですがあるはずです。

例えば、風水などを考えると、LDKは南側(南or南東or南西)にもっていくことを基本とし、

  • 子供部屋は南東と北東側
  • 主寝室は西側

という配置が基本になっていますので、どの方角にどの部屋を配置すればいいか?は日当たりだけの問題でもありません。

ですので、このページでは、もう少し設計の観点から話をして良ければと思います。

(、、、すみません、誤解のないように話をしたいので、決して批判したいわけではなく、方位と日当たりを単純に紐づけてしまうのは少し危険で、もったいないように感じた為、このような話を冒頭でさせていただきました。)

ちなみに、分譲マンションや既に建てられている建売住宅を買う場合は、この日当たりと方位はとても重要な要素になっていきますので、これからお話する内容は、あくまで注文住宅としてです。

***

冬でも日が入ればOK??

はい、順をおって話を進めていきます。

先ず、間取りで日当たりを考える時に、一番重要なのは、LDK(家族が集まる場所)の日当たりかと思います。

(昔は、子供部屋や主寝室などの居室は、全て南側にしたいという要望も多かったのですが、今はそうでもなく、選択と集中ができているように感じます。)

はい、LDKでの日当たりが重要なのですが、その前に、先ずは、家全体の日当たりの把握からしていく必要があります。

家全体の日当たりを考える場合、一番良いのは、シミュレーションをすることで、こちらは、今は、無料で精度の高い日当たりのシミュレーションができるサイトがあります。

(有名なのは『日当たり君』です。*参照:住宅性能診断士ホームズ君.com)

そういったシミュレーションを使えば、自分たちでも日当たりの計算はできます。もちろん、プロに依頼する方法もありますが、お金もかかるので、先ずは自分たちでもトライしてみてください。(慣れれば簡単です^^)

さて、そのシミュレーションの結果、

『冬至(一番日当たりが悪い日)でも日が入るからOK』

となった時、そこでシンプルに、『じゃあ南側に窓をつければOKだね』となることが意外と多いのですが、これはもう少し深く考える必要があるように感じます。

***

日当たりは生活をイメージした検証が必要。

大切なのは、日当りをシミュレーションで把握した後で、そこから、考察すること、です。

例えば、

  • 日当たりは良いけど、逆に良すぎない?
    冬は良いけど、夏の直射日光がきつそう、、、。
  • 南に窓を持ってくると、、、、
    前に道路があるから外からの目線はどうなんだろう?
  • カーテンは常にしめないとダメかな??
  • 朝日は入るけど、逆にまぶしくないかな?
  • 西日でこの場所が暑いかも、、、。
    (逆に寒がりだからちょうどいい。)

など、生活シーンをイメージする必要があります。

また、逆に、普通に設計しただけでは、日が当たらなそうな場合、

  • 吹抜けをつくる?
  • スキップフロアで天井をあげる。
  • 思い切って二階にLDKにする。

なども当然考える必要があります。

そういった考察をして、さらに、考えを掘り下げていく事で、理想の間取りになっていきます。

***

設計での光の取り入れ方

はい、という事で、ここから日当たりに関しての具体的な間取り設計の話をしていきたいと思います。

先ずは基本的な日当たりの計算ですが、こちらは、先述した日当たりのシミュレーションを行っていただいた上での話になるので、先ずはシミュレーションしてみてくださいね。

はい、その上で、基本的な日当たりの数字のお話をしていきます。

***

夏至で80度、冬至で30度、太陽はどこから入って、どこへ沈む

日当りを考えるので、先ずは太陽の動きの概要を把握する必要があります。

とても簡単ですが、図を作ってみたので、先ずは見てください。

太陽の軌道

先ずは、こちらの説明を簡単にしていきますが、

  • 夏至が赤いライン
  • 春分・秋分が緑のライン
  • 冬至が青のライン

での太陽の軌道を表しています。(日本で考えた場合)

また、それぞれのタイミングでの日の出と日の入りの方位も違っていて、

  • 夏至:東北から日が昇り、西北へ沈む
  • 春分・秋分:東から日が昇り、西へ沈む
  • 冬至:南東から日が昇り、南西へ沈む

というように、例えば夏至(6月20日ごろ)であれば、北東から朝日が昇ります。

、、、私もそうですが、改めて『へ~』となる方もいるかと思いますが、この方位の認識も大切です。

また、太陽の角度もこの図から考えられます。

太陽の角度

図は真昼での計算になりますが、

  • 夏至で80度
  • 冬至で30度

となります。

また、上の図は真昼での角度になりますが、朝から夕方までの角度はそれぞれ違いますので、こちらも大枠で良いので把握するようにしましょう。

(細かい数値までは不要かと思いますので、あくまで大枠として、太陽の軌道と角度をそれぞれのタイミングでご認識ください。)

***

夏は直射日光を遮り、冬は日を入れる

さて、上記の太陽の動きを知ってもらった後は、いよいよ日当たりの考え方です。

ここで結論をお伝えしますが、

大切なのは、“日が入る”ではなく、“日当たりをコントロールする”です。

また、“日当りをコントロールする”の考え方の基本は、

“夏の直射日光は遮り、冬の光は入れる”

です。

家の気密性能・断熱性能がいくら良くなったとしても、この考えは変わらないので、基本として覚えてください。

では、夏の日差しを遮ろうと思うと

  • 庇でコントロールする
  • カーテンの開閉を考える

の二つの考えが基本です。

また、

冬の光を取り入れる場合、こちらはカーテンを閉めない前提で考えると、

  • 南側に日当たりを邪魔する高い建物があるか?

がポイントになります。

もし、日当たりを邪魔するものがあれば、吹抜けやスキップフロアを用いて光を入れるようにしていきます。

日当りを考える

カーテンを閉めないといけないような立地の場合、先述の吹抜けやスキップフロアなどを採用しつつも、上の図のような家の手前に目隠しをつくり、カーテンを閉めなくても良い状況にする必要もあります。

***

庇で光をコントロールする

また、庇で光をコントロールするというのはどういうことかというと、

庇で日当たりをコントロールする

上の図の左側の図のように、窓の上にくる庇(画像はバルコニーで庇の代わりをしています。)であれば、90㎝程度の庇があると、夏至(6月中旬)~8月末ぐらいまでの暑い日差しを遮ることができます。

また、上の図の右側の図のように、屋根の庇も考えられるのですが、二階建ての屋根で一階の日差しをコントトロールするのは難しいです。

基本的にはそれぞれの窓の上(1階、二階の天井付近)で庇計画があるのが一番です。

ただ、屋根は屋根で、家の寿命を延ばすためにも庇の計画は必要ですし、二階の日当たりのコントロールも含めて考えれば屋根も90㎝程度の出のある庇が良いかと思います。(外観など考えずに言えば。)

(家の寿命ですが、今は外壁材の高耐久化も進んできていますので、90㎝の屋根庇がないとダメか?というのは判断が難しい所でもあります。)

***

重要なのは、日当たりではなく、明るさ。

さて、このような基本設計を理解してもらった上で、

  • 『日当たりを庇で遮って、暗くならない?』
  • 『明るい家が良いけど、大丈夫?』

などの疑問も出てくるかと思います。

そこで、明るさに関しての話をしていきますが、まず、明るさを考える場合、

  • 直射日光
  • 関節光
  • 反射光
  • 奥行感からくる明るさの認識
  • 窓の横幅を広げることで、得られる明るさの認識

などの要因が考えられ、決して直射日光だけでは語れない要素も多いです。

また、明るさのコントロールを考えると、

  • レースのカーテンを通して、光を柔らかくする
  • 北側の上の方に窓を設けて、空を見せることで明るさを感じさせる

という考えもできます。

明るさの調整

少し分かりにくい図ですが、このように色々な光の取り方があり、決して直射日光だけで話ができるわけではないことも知っておいていただけると、家づくりにより幅が出てきます。

例えば、分譲マンションなどを考えていただくとわかりやすいのですが、分譲マンションの場合、南側に窓配置をすることが多い一方で、上階のバルコニーが1.5m程度出て(庇となって)いることが多いです。

ですが、南側配置のそのようなマンションで暗いという風にならないです。

これは、“奥行感からくる明るさ”“窓の横幅を広げることで、得られる明るさの認識”の二つが揃っている為です。

また、マンションのように、見せたいものを見せる為に、他の部分を絞るという感覚も重要で、

マンションが明かる感じる理由

この図のように、庇を深く設けても、見せる方向を限定するのも実は明るさを感じる一つの要素になります。

注文住宅でも、こういった考えもぜひ取り入れた設計を考えてみてください。

先述している内容で、少し注意点もあって。

吹抜けなどの高い位置での窓を考える場合で、日差しのコントロールをするために、カーテンやブラインドなどで対応しようと考えると、そのものを電動式などにしなければならず、維持費を考えると、単純に喜べない設計もありますので、こちらは気を付けたいところです。

日当りのまとめ

はい、少し長くなってしまいましたが、家の日当たりに関しての話をしてみました。

明るさの調整

理想の家づくりを考える時、中の明るさをどのように確保するかはとても大切ですが、直射日光に取らわれずに、色々な方法を知っていただければと思います。

  • 直射日光
  • 光の反射
  • 光の拡散
  • 外が明るいことでの明るさ
  • 目線が抜けることでの明るさ
  • パノラマで見えることの明るさ

などを総合的に考える必要が出てきます。

日当りに関しては、間取り実例でもいくつかの事例で解説をしていたりもしますので、参考にしていただければと思います。

ではでは。

間取りページに戻る

***

↓↓Rebroathomeの間取り診断サービス、詳しくはこちら↓↓

アドセンス広告(記事下)




アドセンス広告(記事下)




-間取り

執筆者: