家づくりの打合せでよく、『家は外観よりも、内観が大切です!』という話を耳にします。
『外観は帰ってきた時の一瞬ですが、家の中はそこで暮らすわけですから、外よりも中身を充実させる方が良いです!』という話ですね。
はい、間取り提案の際は、必ず外観パースを書いている私も、実は同じ意見です^^笑
また、最近とあるインスタでのアンケートをみたときに、
- 家は内観重視派:85%
- 家は外観重視派:15%
というアンケートも見たことがありますが、つくづく納得のいくアンケート回答だと思います。
その前提の上で、ですが、今回のタイトル、家は内観重視!あくまでこれを言っていいのはお施主様!
の話をしていきたいと思います。
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目次
家づくりに20年携わってきた私が、ずっと疑問だった内観重視という思想
大学を卒業後、ずっと家づくりに携わってきましたが、その間、この内観重視という発想はずっと変わらずにあり、それは上記のインスタでのアンケート見る限り今でも続いています。
実は、私自身メーカーでの営業時代の5年間は、この内観重視という言葉をうまく利用していたりもしました。
利用するというのは、私がメーカー時代の時は、
- 『内観重視が良いです。』の前に、『外観をこだわると、予算が上がってしまい、とても提案できないので、』が付きました。
また、
- 『内観重視が良いです。』の後には、『といっても、少しだけオプションを選んでもらった後は、標準仕様で選んでもらう。』という言葉にできない部分がありました。
内観重視、、、実は建築会社にとってとても都合のいい言葉だったりもしました。
特に一般のお客様は、展示場のような素敵な外観にあこがれて、中に入ってきます。
そして、その家を見て、『こんな家が建てられたら素敵だよね』と夢を膨らませたうえで、家づくりがスタートします。
だけど、会社サイドとしては、この発想を実際の予算に合わせるために、色々な話をして、内観も外観も結局は普通のシンプルなものになるけど、うちの家はこれだけ良いものだから、と考えをシフトしてもらう作業が入ります。
これは、色々な展示場にリサーチにいった時、同じような話はどこでも聞きましたので、どこのメーカーさんも同じようなも。
むしろ、外観にこだわっていると、そんな所にこだわってたら、契約取れないよ、と言われるぐらいの環境でした。(当時は)
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外に出ても、家は外観よりも内観重視の理論は続く。
さて、私の話の続きですが、ハウスメーカー勤務を5年半続けた後、会社を辞め、とある大きな企業さんが新規事業として、家づくり相談の立ち上げをするという話があり、そこに就職しました。
その際、今まで知らなかった、工務店さんや建築家さんを何百と取材に行き、実際に家づくり相談でそういった会社のナビゲーションをしていました。
そして、実際に会社さんとご相談者さんの打合せにも後学の為に、参加させていただいていたのですが、そこで聞いた話にも、
- 工務店さん:『家は外観よりも内観が重視です』
でした。
その当時から今でもですが、メーカーと比べて、工務店さんの方が設計の自由さはありましたし、価格の安さもあったにも関わらず、外観よりも内観重視の理論が普通にあったのです。
少し驚きもありつつ、私の中では引っかかりが芽生えてきたタイミングでもありました。
家づくり相談には、色々なお客様が来ていましたが、その中で、間取りのアドバイスをすることもしばしば。
当時(今から10年ぐらい前)は、そんな工務店さんの話を聞いていたこともあり、ひっかかりがありつつも、内観重視の話をまだまだ私もお客様に話をしていました。
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その一方で、たまに、、、当時はまだ敷居が高かった建築家さんとの家づくりをみると、外観も内観も素敵なもので、そういった家づくりに感銘を受けてもいました。
ただ、、、、建築家さんお提案する家は、価格も素敵なもの^^;
そんな経緯もあってですが、一般的には外観よりも内観重視でしょうがないのかな?とも思っていたりもしました。
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とある建築家さんとの出会い
そんなある日、一人の建築家さんと、たまたまのご縁で知り合いました。
その方の提案は、外観・内観と、とてもバランスのとれた素敵な提案で、さらに一番驚いたのは、その提案の価格が工務店さんと同じぐらいのものだったことです。
色々な会社さんがいる中で、強烈な印象だったので、その後、色々と取材をさせていただいたのですが、その先生が、『いや、もちろん内観も大切だけど、外観も大切でしょ!』ときっぱりと回答。
どちらが良いというよりも、どちらも大切!という話をしてくださったのですが、その時にようやく、納得できた話が今回の話です。
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内観重視の日本の家づくりだけど、けして外観をおろそかにして良いわけじゃない!
そこから、色々な意味で外観の勉強をし始めて、今に至ります。
そして、その過程で、色々と見えてきたものもあります。
それは、
- 外観提案ができない設計の方がとても多いこと。
これは、設計士さんというよりも、間取り提案をするすべての人を対象にしての話になりますので、営業さんも含まれます。
また、
- 内観重視がお客様だけじゃなく、建築業界全体に広まっていて、、、それがある意味、外観はそこまで考える必要がない!という免罪符になっている状態
になっているように感じたことです。
だけど、建築を深く理解していけばいくほど、単純に提案できていないだけで、そういった提案をしてくれる人だっている、ということだと納得した、、、、のは、ここ最近の話です。
ただ、今は、外観提案もしてくれる担当者さんも少しづつ増えてきているように思いますし、お客様の目も肥えてきているので、そういった時代になりつつあるようにも感じます。
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お施主様が外観がわからないのは当然です。
ただ、まだまだSNSなどで間取り提案をみれば、外観の提案よりも内観、インテリアアドバイスの方が断然多いのも確かで、内観重視の考えはまだまだ多いと思います。
もちろん、内観は大切ですが、です。
そんな状況ですので、家づくり検討者さんにとっては、外観をこだわることに対してのハードルの高さも感じていますし、そもそも初めての買い物ということを考えれば、外観は、建築会社が提案しないといけないものとも感じます。
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間取り提案は、外観があるから、間取りが具体的に想像できる
また、これは私個人の考えではありますが、特に間取りを見るときは、外観があるから、間取りを具体的に想像できるように思います。
外観があるからこそ、家の中身がより具体的に検討できるように思います。
『あ、こんな家になるんだ!』を掴むためには全体像があった方が絶対よく
、、、
例えば、スーパーでリンゴを買うときに、手に取ってリンゴを眺める。その時にあれこれ味を想像して、値段を見て、買うと思います。
ですが、外観のない間取り提案は、すでに皮がむいてあるカットフルーツを買う感覚に似ているようにも感じています。
、、、この感覚わかりますでしょうか^^;笑
家も外観があるから、より中身が具体的になりますし、この家はいくらなんだろう?が想像しやすいと感じている為、初回の間取り提案は、基本的には外観を書くようにしています。
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設計は、外観もしっかり提案しないとダメだと思う。
はい、だからこそ、内観重視を言っていいのはお施主様だけだと思いますし、家の提案をする人が、内観重視で外観は、そこまで重視しないとなってはいけない気もします。
偉そうなことを言っていますが、私もまだまだ勉強中^^;
でも、そんな思いを持ちながら、内観重視だけど、外観にもこだわって、住みやすい、暮らしやすい提案だけど、家も素敵!が大切だと思います。
この外観もという意識、家づくりで大切なように感じていてることもあり、そういった見方で会社選び、もっと言えば担当者さん選びを考えていただけると良いのではないか?と思っていたりもします。
あまり役に立たない記事になっているかもしれませんが、家づくりの考え方の一つとして、頭の片隅にでも入れていただければ幸いです。
ではでは。
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