【とある工務店との会話】
工務店の社長:『牧原さん、知ってた??』
牧原:『え、何がですか??』
工務店の社長:『…○○会社、やばいらしいよ!』
牧原:『え、そうなんですか??』
工務店の社長:『下請け業者への支払いが滞ってるみたいだわ。』
牧原:『そうなんですね、、、広告とか見てましたけど、安いな~と思っていたのですが…』
工務店の社長:『そうだよ、あの家の仕様で、その価格じゃあ、無理に決まってるのにね、、、』
…
という会話をここ最近しました。
目次
広告バンバン、その仕様でその価格、、、本当に大丈夫?
この会話で“やばい”と噂が出た会社さんですが、広告(特にインターネット広告)を少し前までバンバン出していた会社さんでした。
その広告を見ると、『この仕様でその価格、それで家づくりができるなら、、、確かに安い!!!』と私が見ても思える内容のもの。
また、これは私だけでなく、他の建築会社さんも同様に感じていて、『牧原さん、なんでこの会社は、この家を、この価格で出来るの??』とよく聞かれてもいました。
*その会社さんは、私の前職の時に、お付合いがあった事もあっての話です。
…
結果としては、この家を、この価格で、出来ていなかった!という話ですが^^;
潰れる会社、残る会社
そこで、今回の話は、“潰れる会社、残る会社”です^^
以前のブログでも書いていますが、基本的に“やばい会社さん”で先ず起こってくるのが、“業者さんへの支払いが遅れる”です。
この状態(噂)が出てくると、『もう秒読み??、、あと一年持つ??、、そこから立て直せるの??』となってきます。
*因みに、業界で噂が広がるという事は、そこそこの棟数をやっている会社さんだったりする事も多いのですが、最近では、比較的規模の大きな会社さんがやばい!なんてことも多くなってきていますね。
こういった、潰れそう?な会社さんの特徴は、
- 適正価格で家づくり
- 誠意のある対応
- デザインが素敵
の3つ中でどれか1つが出来ていない場合に多いように思います。
…
特に最近の傾向で話をすると、
- 適正価格で家づくりをしていない会社さん
が厳しい状況に陥いりやすいように思います。
…当然と言えば当然の話なのですが…^^;
『その家づくりをするなら、これぐらいは必要だと思うけど??』と思う会社さんの事です。
、、、中には、“表面的には安いけど、蓋を開ければ普通の価格”という会社も多いので、実際に話を聞きにいかないと解らない場合も多いですが、噂が出ている会社さんは、“蓋を開けてみても安い会社”だったのです。
*いわゆるおとり広告という会社さんもありますが、今回は、本当に安いまま家をつくっていた会社さんの話です、、、。お施主様からしてみると、『価格が安くなるなら、むしろ良いじゃん!』と思われるかもしれませんが^^;
会社がなくなっても平気??
さて、少し話が脱線しますが、もっと根本的な話をしてしまうと、『会社がこの先もずっと残っているか?』は、今はどの会社を見ても何とも言いづらい状況です。
- 最近は、大手ハウスメーカーさんでも…
例えば、大手ハウスメーカーさんでさえ、最近の事情をみると、純粋な注文住宅は本当に取れなくなってきていて、それこそこの先、無くなる会社さんも出てくるようにも感じます。
そんな状態ですので、どこが安心とも言えない状況だったりします。
現場でかなりリアルな声として、色々なメーカーさんから聞いていますので、本当の話ですよ^^;
ただし、その一方で、
- 瑕疵担保の保険(10年間の主要構造体に対しての第三者保証)
- アフターメンテナンスのアウトソーシング
といった体制も住宅業界としては整ってきている状況でもあり、会社が無くなっても大丈夫にもなってきたりもしています。
ですので、『え、別に会社が無くなったって大丈夫でしょ??』と思われる方も出てくるかもしれません。
最低でも完成して3年は会社が残っているか??
会社が無くなっても…確かに、あまり問題なくなってきている時代とも言えますが、私としては、最低でも
- 完成して2~3年は会社が残っていること
- その上で、会社がなくなっても大丈夫な体制をその会社がとっているか??
が大切な要素だと思います。
…
こんな言い方をすると誤解を招いてしまうかもしれませんが、会社がずっと残っていることに越したことはなく、、、あくまで、“最低でも”と考えて貰えれば、です^^;
- 建ててから3年目までが大切
3年の根拠としては、家は、建ててから1~2年は『家は少し、動くもの!』と言われていて、軽微なメンテナンスを考えれば、3年目ぐらいまでが大切とも言われます。
その3年間ぐらいは、建ててくれた会社さんが、無料(無償)で治してくれるかどうか?って意外と大切だったりします^^;
- 瑕疵担保の保険
また、瑕疵担保の10年間の保証ように主要構造体にそもそも不備があれば、会社があろうがなかろうが関係なく、保険の適用が出来ます。
ですので、10年先を考えるというのも話が違います。
この時代に10年先まで会社が残っていると絶対に言えるのは、超大手のハウスメーカーさんぐらいかとも思います。
- ちょっとした不具合事例
例えば、最近の例をお伝えすると、
気密・断熱性能の良い家だと思っていたのに、『外の話声や歩く音が夜に少し聞こえてくる、、、これって、、、』という問い合わせが入り、外壁のコーキングに一部不備があったことが解って、それを無償で直に直してもらった!
という事例がありましたが、こういった時に、会社が残っていないとダンドリが面倒な話にもなってしまいます。
ということで、
- “最低でも建ててから2~3年は残っている会社”
を選びたい所です。
そこを判断する為には、上記でお伝えした、『適正な価格で家づくりをしている??』を考えておきたい所なのです。
適正価格での家づくり
『…適正価格??』と思われるかとも思ったので、少し補足説明をしていきます。
…
先ず、建築業界を見て、『この家づくり(仕様観)でこの価格ならお値打ちだよね!』ぐらいは、業界に居れば、ある程度解ります。
(地域性も加味する必要はありますが)
- ローコスト系の家づくりなら、1500万円前後ぐらい?
- 今時のシンプルモダンの家をつくっているなら、2000~2500万円ぐらい?
- このデザイン観でやるなら、3000万円~、は必要だよね?
という感じで、ある程度の価格観は、家の提案を見れば解ります。
“このデザイン観で”と言うのは、素敵な施工事例の家づくり、をしようと思うと、普通の家よりも、
- 仕様選び
→契約後の打合せ期間が長くなる - 現場での指示
→工事期間も長くなるし、現場監督さんの仕事も増える - 個別での部材の仕入れ
→標準仕様じゃないため、価格を抑える所が減ることも…
となる為、標準的な家づくりと比べて価格が上がりやすい事が判断ができたりします。
それらを考えると、『この家をつくるなら、会社としては、最低でもこれぐらいは必要だよね!』というレベルがあるんです。
逆に、
『え、この家で、この価格なの??ちょっと高くない??』
という会社さんもあったりもしますが、そういった会社さんの中には、目に見えない部分、“気密・断熱性能や耐震性能など”に力を入れている会社さんがあったりします。
こういった判断が出来るようになると良いですよね。
で、この“適正価格”に関しては、一般の家づくりユーザーさんでも、最初は解らないですが、いくつか比較検討して行けば、判断できるようになります。
建築会社の規模と比例してシンプルな家づくりになっていく!
さらに、もう少し大雑把な知識の話もしておいた方がいいのでしておきますが、
会社の規模が大きくなっていけば、なっていくほど、“家は、シンプルにしていかなければいけない。”です。
大雑把に言えばの話ですが、この相関関係は絶対です。
因みに、こういったことをしていない会社さんも中にはあったりしましたが、例外なくなくなっていっています💦
- 大きな会社はシンプルな家づくりへ向かう
何故、大きな会社がシンプルな家づくりをしなければいけないのかというと、
会社の規模(年間の施工棟数)が大きくなればなる程、
家づくりの工程を簡略化して、
- だれが担当(営業・設計)になっても、ある程度のレベルの家(その会社の色)が表現できるようにする為には。
- 工事期間を短くして利益を上げやすい体制にしないといけない。
- 現場でのクレームを少なくするには。
は、会社が大きくなればなるほど、重要な課題になってくるためで、結果として家づくりをよりシンプルにしていく必要が出てきます。
- 価格をシンプルに
- 間取りをシンプルに
- 仕様をシンプルに
となっていきます。
これは、私が家づくり相談経験からの話でもありますが、最初は小さい会社さんだったのが、規模が大きくなっていった会社さんの取り組みを身近で見てきた経験と、大手ハウスメーカーさんや大手ビルダーさんの家づくりを色々と見てきた経験からです。
例えば、
- 自然素材をつかう
- 建築家さんが建てるような家
- 提案力を求める間取り
などで家づくりを考えている方は、年間での施工棟数が多い会社さんはむしろ微妙です。
理由としては、シンプルな家づくりで慣れてしまった会社に、上記のような少し難しい工事をしてもらおうとすると、提案をする設計士、現場を監理する現場監督、現場で作業する大工さん、といった家づくりに関わる人たちの全ての意識改革が必要になってしまいますし、費用も割高で設定されやすくなります。
また、
そういった会社さん(シンプルな家づくりが標準となっている会社さん)に、標準工事外の内容をやって貰おうとすると、“不具合”も出てきやすかったりします。
*ここに関しては次回お話しをさせて頂きますね^^
…
もちろん^^;
とは言うものの、ここら辺は会社ごとでも対応や価格観の違いも出てきます。
ですので、もし、家づくりをする上で『私は家に対する思いもつよくて、色々と細かい所までこだわって考えたい!』と思っている方がいれば、
比較検討する際、会社の規模を大中小でも比較して頂くと良いかと思っていて、その対応の違いを見て頂くと良いかとも思います。
まとめ
すみません、少し色々と書いてしまいましたが、
- 『適正価格で家づくりをしている会社か?』
は是非、皆さまも判断材料の一つとして意識して頂ければとも思っております。
“安ければ安い方が!!”と思われるのも家づくりアルアルだとは思うのですが…^^;
次回の記事で書かせて頂く、“欠陥住宅について”の内容につながる話でもありますが、
- 欠陥住宅という観点からも、
- 建ててから、3年間という観点からも、
適正価格を意識して頂く方が個人的には良いのかな??と思った冒頭の会話でしたので、ご紹介でした。
↓↓↓家づくり、注文住宅の参考記事はこちら↓↓↓
参考記事01:工務店で建てるなら、建設業許可の閲覧
参考記事02:こんな会社は危ないかも?倒産しそうな工務店を見抜くコツ
参考記事03:家の施工品質と瑕疵担保のお話し(e戸建て7回目コラム)
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