皆様こんにちは、Rebroathomeの牧原です。
今回は、先々回、先回に引き続きの話で、実際に30坪・3LDKの間取り実例を使って、話をしていきます。
実際の30坪、3LDKの間取りはこちらです。
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30坪と書きましたが、床面積は1階2階で28.62坪。
また、バルコニーや屋根庇、坪庭などの施工床面積、4.26坪ほど増えていくので、32.9坪。
この違い、お願いする建築会社さんでの坪単価の違いになりますので、ご注意くださいね。
例えば、解りやすく、この提案の本体価格が2000万円だったとすると、
- 床面積計算の会社A:69.9万円/坪
- 施工床面積計算の会社B:60.8万円/坪
という違いになり、同じ家で、同じ価格でも表現の違いから、坪9万円の違いが出てきます。
*会社選びで見落としがちなので、床面積なのか、施工床面積なのかの確認はするようにしてくださいね^^
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はい、話を戻します。
この間取、間取り診断のお客様に新しい間取りとして私から提案させていただいた間取りです。
ご相談者さんは、もともと、2~3社から、同じように、30坪で3LDKの間取り提案を貰っていました。
ただ、すべての会社さんの提案は、総二階に近い間取りで、全然ピンとこない状況。
そこで、色々と調べていただき、Rebroathomeにたどり着いていただいて、間取り提案を依頼していただくことになりました^^
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そこで、この新しい間取り提案を書いたのですが、その後の感想としては、『まさにこういった提案をまっていた』と相談者さんからは言っていただき、『よかった~』と、ホッとしました^^;
なのですが、
実は、この提案を出すときに、ご相談者さんには、とても重要な話をしています。
何かというと、
- 『この間取りだと、出来ないという会社さんが出てきます』
- 『ですので、建築会社さんを選ぶ時、ちゃんとチェックしないといけません。』
という話を一緒にさせていただきました。
間取り実例はインスタで定期的に上げていますので、そちらもチェックしてみてください^^
https://www.instagram.com/rebroathome/
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目次
30坪、3LDKの間取り提案のポイント
はい、まずは簡単ですが、この30坪・3LDKの間取りのポイントの解説をしていきたいと思います。
色々とお施主様のご要望を加味していますが、この提案のポイントとしては大きく3つ
- ①.小さく土地だからこそ、外観を含めた提案
- ②.どこにいても明るい家
- ③.LDKの位置
の3つです。
もちろん、その他に、細かい見せ方のアドバイスもしていますし、色々と窓配置や使い方などのアドバイスもしていますが、大きくはこの3つです。
また、図面を見ていただければわかりますが、土地の大きさは、33.88坪とそこまで大きな土地ではありません。
また、一部斜めの土地になっていて、有効活用がしにくい場所もあります。
この土地の大きさを加味しながら、解説を聞いていただくと参考にしていただけるかと思います。
①.小さい土地だからこそ、外観を含めた間取り提案
はい、土地の大きさが33.88坪と大きい土地ではありません。
実は、こういった土地の場合、建築会社さんも、お客様も、
- 『敷地一杯一杯に、とれるだけ家をとる』
といった考えになることが多くあります。
そして、そのような考えで家づくりをすると、基本的には【総二階の真四角に近い家づくり】になっていきます。
ですが、そのような考えがベースになってしまうと、日当たりが悪い場所が出てきたり、家の外観づくりもどこかのっぺりと小さい感じになってしまいます。
『敷地一杯に家をとる』
この感覚は大切なのですが、実際の間取り相談経験で言うと、そういった大きくない土地の提案、間取りに無駄が多い場合も多くあるので、ここは、本当に必要な大きさを考える必要があります。
要望を聞いてみると、そういった所が随所に感じられましたので、上手く削って(予算を下げることも意識して)提案を書いています。
家づくりにおける、外観づくりの考え方は、私のユーチューブで解説をしていますので、そちらもご参考ください。
【動画】インテリアアドバイス004:外壁の張り別けのルール
②.どこにいても明るい家
二つ目は、明るさです。
私としては、間取りにおいて、『日中に電気をつけないといけない場所になりそう』なところは、少し気にしてアドバイスしています。
もちろん、簡単な窓や部屋の配置で解決できることも多いですが、
- 無理に窓を付けたから、外観が崩れてしまうことは避けたい。
- また、外観が崩れるから、窓をやめるというのもどうかな?
と思います。
理想の間取り提案としては、提案全体として、明るくなるような提案ですが、今回採用したのは、坪庭の提案ですね。
小さな土地だから、30坪の家に坪庭は無理、と思われる方もいるかもしれませんが、そうでもないですし、逆に作りやすい側面もあります。
この坪庭をつくることで、どこにいても明るい家になっていますし、外観、特に道路のある南側と、駐車場がある西側の外観もこだわって、作ることが出来ています。
こちらも動画で坪庭つくりのポイントを解説しているので、ご参考ください。
【動画】インテリアアドバイス006:窓
③.LDKの位置
最後はLDKの位置です。
もともとのご要望として、LDKを二階に持っていきたいというご要望がありました。
ですので、道路からの目線などはそこまで気にすることなく間取りを考えることができる状況ではありました。
ですが、こういった大きくない土地に対してのLDKの配置は、
イメージとして、
【道路とLDKにワンクッション入れる】
という言葉を考えていただくと、より間取りが素敵になるかと思います。
ワンクッション何かを入れることで、LDKにいた時に、よりくつろげるLDKになります。
はい、ということで、坪庭をつくって、外観をこのようにして、その奥にLDKをもってきたので、LDKに光も入りますし、ワンクッションいれることで、外からも見えにくいLDKになっています。
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【動画】インテリアアドバイス003:中庭の作り方
この提案ができる会社とできない会社
はい、という簡単な30坪3LDKの間取りの解説をした上で、先々回、先回の記事の続きをさせていただければと思います。
はい、まず認識するべきは、例えば今回のこの提案を『建てたい‼』となったとき、
(あくまでそうなった時です^^;)
- 出来る会社さん
- 出来ない会社さん
に先ずは分かれていくことを認識するべきなんです。
また、
- 出来るけど、嫌がる会社さん。
- 出来るけど、価格UPがものすごくかかってくる会社さん。
- 出来るし、そこまで価格UPしない会社さん
の3つにも分かれていくことを認識していただくと良いかと思います。
という事で、この30坪3LDKの間取りをつかって、
- 『何故、そのような会社さんに分かれてしまうのか』
- 『この提案のどの部分がそうさせるのか?』
を解説していきたいと思います。
この間取りで『難しいな!』と思われる場所の解説
はい、という事で、この30坪、3LDKの間取り提案で、建築会社さんが『この提案をやろうと思うと、ここは難しいな!』と感じる箇所を解説していきたいと思います。
全部で5つの具体的な個所の説明をしていきます。
1.坪庭
はい、まずは、単純に坪庭です。
赤●で囲った所ですね。
例えば、この坪庭を採用しようと思うと、ハウスメーカーさんは当然ですが、その他の建築会社さんでも、費用UPが多くある会社さんがいます。
どんなに素敵な間取り提案だったとしても、予算に合わなければ意味がないですよね。
ハウスメーカーさんなどは、予算UPがかなりするので、こういった坪庭をやりたがらない会社さんというのも存在しています。
***
2.坪庭の前にあるバルコニー
二つ目は、坪庭の前にあるバルコニーです。
画像は上記と同じ場所です。
これは、見た感じも会社さんの違いが必要なのがわかるかもしれませんね。
はい、こういった施工を考えようと思うと、建築会社さんは、
- 家の設計部門との密な打合せが必要
- さらに、構造計算という特殊な計算が必要
となっていきます。
その為、普通に家をつくるよりも、大変さが出てきますし、施工のチェックなども時間が必要です。
そういったことを嫌煙して、やりたがらない会社さんが出てきます。
『施工自体は出来るけど、、、、やりたくない』
という判断をしなければいけませんし、
『出来るけど、価格UPが割高になってしまう』
ところも判断をしていく必要があります。
3.坪庭の上にある屋根
次です。
外観パースを見ていただくわかりますが、この間取り提案は、坪庭の上の屋根もくり抜くような提案をしています。
こちらも、2と同様に、
- どのように施工すればいいのか?
- 設計部門や施工部門とも話合いは必要。
- 慣れいない会社さんの場合、雨仕舞の仕方なども心配
になったりもします。
こういった所も嫌がられるポイント💦
4.二階バルコニーの柱
画像の右端の柱です。
そして、意外かもしれませんが、バルコニーの南東にある柱で、屋根の一部を支える(全体的な荷重はかからないのですが)柱なども出来ないといわれる会社さんもあります。
こちらは、外観としてのワンポイントとして、出来ればこのような柱があると安心できるかと思いますが、こういった所の細かいところに関しても構造計算などの必要性が出てきたりします。
因みに、構造計算自体は、どの会社さんでもできます^^;
ですが、それを、
- やる、やらない。
- やったとしたら、価格UPがどれぐらいか?
の判断が必要という事です。
会社さんによって、下手をすれば、200~300万円、ポンと上がることもあります。
5.南側の二重壁やタイル外壁
最後に、ここの部分です。
こちらは、二重壁(壁を厚く)して、タイルをはると外観に重厚感が出て、さらに、家のポイントになる感覚です。
小さい家をつくるからこそ、家の奥行き感や重厚感を出すところはこだわりたい所です。
そういった打合せにもついてこれるセンスのある会社さん、担当者さんかどうかの判断もしていきたいところ^^
まとめ
はい、という事で、今回も長くなってしまいましたが、まとめます。
先ずは、30坪、3LDKの間取り提案実例をご紹介して、33.88坪の土地にどのような提案をしたのか?の解説をしました。
その際に、ポイントとなったのは、
- 小さく土地だからこそ、外観を含めた提案(特に南側と西側からの二方向の外観)
- どこにいても明るい家
- LDKの位置
の3つでした。
そして、この間取り実例をつかって、会社選び、どの部分で会社さんの判断が変わってくるのか?の解説もしていきました。
- 良い間取りがあっても、それを会社が叶えてくれなければ意味がないです。
- また、それが手の届かない価格だったら意味がありません。
- 逆に、良い会社さんでも、間取り提案が微妙だったら意味がないですよね。
もちろん、良い間取り、良い会社さんの定義は、皆様が感じる所です。
ですが、出来る、出来ないの判断は契約前に知っておいた方が良いかと思い、先々回から続けて、記事を書いてみました。
因みに、こういった出来る、出来ないの判断は細かい所も多く、その都度判断をしていく必要があります。
ですので、『こういった会社さんなら出来ない!』というのが言いづらい所ではありますが、ここは経験値を積んでいただくしかないかな?とも思います。
今回ご紹介した動画も含めて、家づくり、間取りづくりの勉強として、ご参考してみてください^^
【記事の中でご紹介したリンク】
【動画】インテリアアドバイス004:外壁の張り別けのルール
【動画】インテリアアドバイス006:窓
【動画】インテリアアドバイス003:中庭の作り方
先々回の記事:1000万円台での家づくり、、、でも、総額3000万円!?
先回の記事:家を建てるならビルダーさんだけではなく、見ておきたい工務店・建築家の4つの特徴
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