家づくりにおいての会社選びは、一番最初に皆さまが頭を悩ませるところだと思います。
- 01.どんな会社があるの?
↓ - 02.どうやって探せば良いの?
↓ - 03.会社ごとの注意点は??
と分からないことばかりの状態でスタートするのが注文住宅の難しさでもあります。
そこで、この記事では、注文住宅業界を大きく5つのタイプの会社さんで分類し、それぞれのメリットデメリットを解説していきたいと思います。
- 1.ハウスメーカー
- 2.工務店
- 3.ビルダー
- 4.ローコストメーカー
- 5.建築家
の5つのタイプについて、『こういった違いがあって、それぞれのメリット・デメリットはこんな感じ!』をざっくりと把握し、その上で建築会社さんに話を聞きに行ってもらう事でより良い家づくりのスタートを切ってもらえればと思っています。
事前に特徴を掴んでおけば、遠回りすることなく、理想の家づくりをしていってもらう事が出来ます。
、、、ちなみに、家づくりは“わからない所がわからない!”という状態からスタートするので、あまり遠回りをしていると、時間が足りずに理想の家づくりにたどり着けないまま家が完成してしまう事も出てきます。
『もっとこうしておけば良かった』『こんな方法があったの?』『そんなにお値打ちに建てれるの?』『間取りはこうすればよかった』、、、などなど、必要な情報量は膨大です。
もちろん会社選びは大切な要素なので、しっかりと検討は必要ですが、時間をかけすぎても良くないので、ここで少し学んでみましょう。
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目次
タイプ別の会社の違い。(ポジショニングマップ)
はい、先ずは、建築業界を大きく俯瞰して見ていきましょう。
先ずは5つの大きな分類として、タイプごとの会社さんの特徴を簡単にご紹介していきたいと思います。
1.ハウスメーカー:
ハウスメーカーと言うと、全国展開している建築会社さんのことを言います。
全国放送でのTVCMなどのプロモーションをしていることから、認知度も高い会社さんで、『よく聞く名前の会社』になります。
年間での施工棟数も少なくて数千棟、多くて数万棟となり、主に総合住宅ハウジングセンターで展示場展開をしている会社さんを言います。
2.工務店:
2つ目は工務店です。3つ目のビルダーとの混同される方も多いですが、工務店というと、おおよそですが、新築の年間施工棟数が50棟ぐらいまでの会社さんで、地域に根付いた建築会社さんを指します。
工務店の中には、年間2~3軒の新築工事と、その他のリフォーム工事という工務店さんも多く、従業員数も2~3人と言う小さな規模の会社も多いです。
一つ一つの会社さんは小さく、認知度も低いので馴染みも少ないのですが、建築会社自体は多く、8割はこの工務店に分類されるかと思います。
3.ビルダー:
ビルダーというと、規模としては、ハウスメーカーと工務店の間の規模を指す会社さんが多いです。
年間で100~3000棟ぐらいまでの建築会社さんの事を指すことが多く、イメージとしては、全国展開はしていないものの、複数県で家づくりをしていたり、展示場を持っていたりとしている会社さんをここでは指します。
地域限定でTVCMなどもしている会社さんも多いのも特徴です。
4.ローコストメーカー:
ローコストメーカーは、通常、ビルダーさんの分野に属されることが多いのですが、このブログでは混同できないところが多々あり、別けさせていただきました。
ローコストメーカーの規模は、年間1000~3000棟ぐらいの規模の会社さんが多く、TVCMもしていますし、全国展開している会社さんが多いです。
ただ、こちらは、家を安く仕上げることに特化した会社さんという認識で、“○○万円/坪~”という表現になります。*独立した街中展示場や住宅総合ハウジングセンター内にも展示場展開をしている会社さんです。
5.建築家:
最後は建築家です。
建築家は、通常は一人で活動をしており、年間で手掛ける家の数も2~5棟ぐらいの建築家が多いかと思います。
上記4社とはそもそもタイプが違い、“請負契約”ではなく“設計・監理契約”を主な仕事としています。(仕事内容としては、図面をつくり、各種家の申請を行い、その図面が現場できちんと出来ているのか監理をする仕事)
その為、建築家に家を依頼する場合、施工業者は別で依頼する必要が出てきます。*建築家の知識としては、先ずはこれぐらいの認識を持って頂ければと思います。
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はい、注文住宅を考えた時、お願いする会社さんは、殆ど、この5つのタイプのどれかに振り分けられるかと思います。
という事で、この5つの会社さんを色々な観点から解説をしていきたいと思います。
01.価格-性能(ポジショニングマップ)
はい、という事で5つのタイプの価格と性能のポジショニングマップを見ていきます。
こんな感じになるかと思います。
横軸は価格を示しており、左側から右側に行くほど高い家をつくっているという感覚です。
縦軸が性能になり、上に行くほど良い性能という感じになりますが、ここでいう性能は家の気密・断熱性能がメインと考えて頂ければと思います。
*
ハウスメーカーの性能は中の上
はい、このグラフで色々な話が出来ますが、一番のポイントはハウスメーカーの性能(気密・断熱)の部分で、実は、業界を通してみてみると、中の上ぐらいの位置にいたりします。
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02.価格-構造(ポジショニングマップ)
次に構造のポジショニングマップを見てみましょう。
構造に関して言うと、
基本的には、殆どの会社さんが“木造”になります。
もちろん木造といっても、2×4(2×6)構法や在来工法、金物ピン工法、木造ラーメン構法といった様々な工法があり、それぞれ強さも違います。
参考リンク01:地震に強い家を建てる~1回目:色々な工法~◆◆
参考リンク02:地震に強い家を建てる~2回目:工法の見分け方~◆◆
参考リンク03:木造ラーメン構法◆◆◆
また、ハウスメーカーさんの構造は少し特殊で、木造と軽量鉄骨造の二つのどちらかを採用している会社さんが殆どです。
軽量鉄骨造というのは、ハウスメーカーさん独自の構造になり、一般的に言われる重量鉄骨造の対比として、二階建て、三階建て、といって低層階の為につくられた鉄骨の厚みの薄い構造になります。
鉄骨が良いか、木造が良いか、は別の議題になるのでここでは省きます。
また、重量鉄骨造やRC(コンクリート)造で考える場合は、工務店や建築家との家づくりになると思って頂ければと思います。
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耐震等級でしか家の強さは表せない
はい、家の強さは、
- 耐震等級1.2.3
*3が一番強い構造になります。
でしか、強さを表す基準はありません。
また、今は、ローコストメーカーでも耐震等級3を謳っている所も多いため、どの会社のタイプが一番強いというのも言えませんし、どの構造が一番強いとも言えません。
ハウスメーカーさんは耐震等級2でローコストメーカーさんが等級3になったというのも全然あり得る話だったりします。
10年前なら構造の強さ、安心からハウスメーカーを選ぶという選択が間違いない選択だったりもしましたが、今は強さで選ぶ時代でもない(どこの会社も強い)、という事だけ覚えておいていただくと良いかと思います。
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03.価格-デザイン性(ポジショニングマップ)
次に価格とデザインの関係のポジショニングマップを見ていきましょう。
このようなマップになってくるかと思います。
何をもって、“デザイン性”と言うのか?というのは難しい所もありますが、表現の自由度やそれに伴い予算UPの関係から、描いています。
*
工務店さんのデザイン性は要注意
このグラフを見ていただくとわかりますが、工務店さんの場合、デザインが全くできない会社さんとデザインの良い会社さんが混在しているというところ。
そもそもデザイン性能の一番は提案者(設計)さんによって8割決まるので、良い人にあたるかどうか?が重要ですが、工務店さんを見る場合は、良い担当者さん当たるかどうか?が重要です。
*
デザインを上げると価格も上がる。
また黄色の範囲(ビルダー)を見て頂くと解るかと思いますが、デザインにこだわる場合、価格は上がっていきます。
また、ローコストやハウスメーカーのように、デザインの統一がなされている会社さんの場合は、良いも悪いもデザインを変えにくいという性質が出てきます。
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04.会社規模-間取りの自由度(ポジショニングマップ)
次は、会社規模を横軸に捉えたポジショニングマップを見ていきましょう!
はい、間取りの自由度に焦点を絞ってみると、会社の規模が小さければ小さいほど自由度が高いという話が言えます。
なぜ会社規模が関係あるの?と思われるかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、そうなります。もちろん、お金に糸目はつけないという方であれば、ハウスメーカーさんでも素敵な家づくりはできますが、標準的な感覚で言うと当てはまるので、覚えておいていただくと役に立つかと思います。
このデザイン性に関しては、実際に提案をもらうまでピンとこない事も多いかもしれませんが、『なんか提案がしっくりこない!』となった時は今見ている会社さんよりも規模小さい会社さんを探すのがオススメです。
*
提案は設計士(担当者)のセンスが重要
はい、前述しましたが、デザインに関しては、建築会社さんの自由度を頭に入れつつ、設計士(担当者)さんの力量が重要になってきます。
デザインが重要な要素になっている今だからこそ、会社選びと合わせて、提案力のある担当者さんを選ぶ感覚が大切になっていきます。
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05.会社規模-仕様の自由度(ポジショニングマップ)
04と同じようなグラフになりますが、仕様の自由度を見ていきます。
という感じで家の仕様の自由度も分類されていきます。
*
会社が大きければ大きい程、制約は多い
04.05を考えると、会社規模が大きくなればなるほど、色々と制約も出てくる。という所を何となくでも意識しておいて頂くと良いかと思います。
とはいえ、仕様の自由度がすくないから、全然選べないという話でもなく、普通に家づくりを進めていく上での話であれば、問題ないと感じる方も多いと思います。『やっぱりこの会社は自由度が低いな~』と思うこともあまりないかと思いますので、ご安心を。
ポイント01:ねらい目の会社は??
はい、で、このグラフを見て頂くと解り易いのですが、
という感じで、赤の点線で枠どった範囲(本体価格で50~65万円ぐらいの予算)であれば、ハウスメーカー、工務店、ビルダー、建築家の全ての範囲が入ってきたりします。
*この記事は2018年をベースにしている為、その当時の価格をもとに書いています。
*2022年9月更新時点で言うと、50~65万円→55~70万円という感覚が良いかもしれません。
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ポイント02:建築会社さんの成長
はい、またこれは建築業界の歴史でもありますが、
ここはビルダーさんの話になりますが、今のハウスメーカーも会社が発足した当初は安い価格での家づくりから始まって、今に至ります。
数年前は安かったビルダーさんが、今は意外とお金がかかるようになっている事もありますし、同じビルダーさんでも新規で出てきたビルダーさんの方が安かったりもします。
はい、会社規模が大きくなっていけばいく程、
- 価格は上がっていきやすく
- 自由度も低くなっていく
というのが建築業界の原理原則でもありますので、少しだけ頭に入れて置いて頂くと良いかとも思います。
*こうなる理由は色々とお伝え出来ますが、ここではお伝えしません!!
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それぞれの会社の探し方
という事で、もう少しだけ追記していきます。
何かというと、建築会社の探し方を簡単にご紹介していきたいと思います。
会社の探し方というと、
- 住宅雑誌
- インターネット検索
- SNS検索
- 住宅ハウジングセンター
- 口コミ(紹介)
- 現場見学会や建売住宅からたまたま知る
という感じが殆どになるかと思いますが、それぞれのタイプで見ていきたいと思います。
ハウスメーカー・ビルダーに出会うならハウジングセンター!
はい、先ずは、“一番手軽に、実際の家も見れて”という所を考えると、住宅ハウジングセンターかと思います。
そこで、住宅ハウジングセンターに入っている会社さんを見てみると、
- ハウスメーカー
- ビルダー
の二つが殆どかと思いますので、お近くのハウジングセンターに行けば、その地域で頑張っているハウスメーカーさんとビルダーさんは見つけられるかと思います。
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ビルダーとローコストは街中展示場もある
また、ロードサイドなどに独立展示場を構えている会社さんとしては、
- ビルダー
- ローコスト
の二つがあります。
比較的価格がお値打ちな会社さんが、こういった形式をとっていることが多いです。
ですので、ビルダーさんとローコストメーカーさんを探す場合は、こういった所に行って頂くのもありかと思います。
また、
- ハウスメーカー
- ビルダー
- ローコスト
の3つのタイプの会社さんは、多くの住宅雑誌にも掲載がありますので、比較的簡単に見つけることが可能かと思います。
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工務店と建築家を探すのが難しい
最後に探すのが難しいのが、
- 工務店
- 建築家
の二つです。
こちらは地道にインターネットで検索して、情報収集をしたり、SNSで好きな施工事例を見つけたり、しないといけません。
当然、探しにくい会社さんですので、評判も解り難かったりもしますので、少し時間をかけて探していくという感覚が必要になってきます。
また、こういった小さな会社さんこそ、不動産屋さん、保険屋さん、その他の建築に携わっている方から紹介してもらったりするのも一つの方法です。
住宅雑誌なども、掲載費用などは当然必要ですので、その費用を掛けたくない会社さんもいますので、探しづらさはありますが、今はSNSなどをうまく活用している会社さんも多いので、昔よりも探しやすくなってはいます。
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まとめ
少しまとめてみたいと思いますが、今回は、注文住宅を考えた時に選ぶことができる建築会社の5つのタイプに関しての話をしていきました。
その中で、
- 価格
- デザイン性
- 自由度
- 構造・性能
などがどのように割り振りがされているのか?を出来るだけ解り易くグラフにまとめてご紹介してみました。
また、最後に簡単ですが、会社の探し方もご紹介してみましたが、こういった事前知識をもって、家づくりを進めて頂くだけでも、時間の短縮になるかと思います。
参考にして頂ければ幸いです。
ではでは。
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