e戸建さんの3回目のコラムを掲載いたしました。(掲載期間終了の為、このブログ内で内容をUPしております。)
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目次
ハウスメーカーの値引きは言ったもの勝ち!??
家づくりはとても夢の広がる買い物です。
そしてその期待感と同じくらい気になるのが“お金”に関することですよね。
家はオーダーメイドの買い物なので、メーカー希望小売価格のような「基準値」が存在しません。
- 「どこまで値引き要求していいの?」
- 「結局はゴネた者勝ちなの?」
- 「建築会社の規模によって値引き率の違いはあるの?」
等々、実際に交渉してみないと分からないことだらけだと思います。
第2回目のコラム:契約後の思わぬ予算UPを防ぐで『値引きがあるから、という理由で契約してはダメですよ!』と書きましたし、私がこの10回のコラムを通じて一貫してお伝えしたいことは『価格以外の判断基準を持つこと』です。
そのためには、価格に関する知識も重要です。
建築会社がどんな場合にどれくらいの値引きをするのか、そしてその裏事情は…という知識です。【彼を知り己を知れば…】というやつです。
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第2回目のコラムで、値引きはあくまで【おまけ】【本当に最後の最後の一押し】ぐらいの感覚でないと、契約後にいろいろと価格アップをされて最終的には損してしまうこともある、とお伝えしました。
しかし、値引きがあるかないか、なら当然値引きはたくさんしてほしい!ですよね(笑)
金額面だけで契約することは危険ですが、大きな買い物だからこそ、建築会社さんとのやりとりの中でうまく値引きを引き出す技術も必要だと、思います。
タイトルはハウスメーカーと書きましたが、会社の規模ごとに細かくお伝えしていきます。
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会社のタイプ別に値引きのクセを見抜く!
まず、家づくりにおいて値引きを最大限に引き出すことを考えると、会社別の値引きパターン、つまりクセを考える必要があります。
建築会社の種類を細かく分ければもっと分類はできるのですが、今回ここでは、
- 大手ハウスメーカー(ハウジングセンターにあるような会社)
- 中規模な工務店(従業員の規模が30人以上の工務店)
- 小規模な工務店(それ以下)
- 個人の設計事務所(建築家)
の4つに分けて考えてみたいと思います。
それぞれの値引きの実情とクセを知り、自分たちの家づくりに応用していきましょう。
繰り返し言いますが、あくまで最終決断をする際の最後の一押しを建築会社からもらうための値引き交渉です。
そこに行き着くまでの価格以外の多面的な判断はしっかりとしていきましょうね。
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1.大手ハウスメーカーでの値引き
大手ハウスメーカーさんの値引きの実情は、
- 値引き額を折り込んだ価格設定
- 資金計画を営業さんがつくる
- より多くの値引きを出すためには上司を引っ張り出す必要がある
の3つです。
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①.値引きありきの価格設定
ハウスメーカーさんの場合、そもそも【値引きありき】で見積りを出しています。
たまに営業さんにその点に関して聞いてみると、『そんなことないです、最近はなかなか値引きできなくなったんですよ。』なんて仰る方もいますが、多くのご相談を通じていろいろな資金計画を見ていると、値引きありきの状態は今も変わらず続いています。
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②.資金計画は営業がつくる
そして、資金計画も担当の営業さんが作成するので、ある程度の値引きは営業さんの裁量で行うことができます。
例えば、営業さんが作った資金計画の総額が3123万円になったとします。
『う~ん、お客様は3000万円以内って言ってたな~』ということで、自分の判断で123万円ぐらいの値引きはできるということですね。
実際にそのような事案をe-戸建ての口コミでも探せるかもしれませんので、ぜひ探して参考にしてみてください。
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怖い話も、、、。
実は営業さんの裁量ということは、お施主様の心理効果を利用しようとするズルいパターンもあったりします。
『あのお客様は、値引きに喜ぶタイプに見える』と総額をわざと3300万円(本当は3123万円なのに)に上げて、最初から300万円の値引きがあるように見せる、こともできたりします。
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値引きの名目は?
因みに、どんな感じで値引きをしてくるか、というと、『あなただけに!今回特別に!』と値引きしてくるよくある理由として、
- 現場見学会の協力値引き
- 太陽光発電掲載補助金
- 決算月の特別キャンペーン
などなど、それらしい文句はいかようにも作れますし、その月の営業成績が決まる月末になんとか結論をもらうための文言『○○月の特別値引き』なんていうのもあります。
で、難しいのは、値引き実情に関してお施主様が『なんだかこの値引きは怪しいな…』とヤキモキしたところで、値引き額が他の人より多いのか?本当に特別値引きなのか?は分かりません。
という事で、一番最初のポイントとしては、先ず、値引き額の多さで判断するのはナンセンスであるということをご理解いただければと思います。
ハウスメーカーが行う値引きってそんな体制なんだ、くらいの感覚が程よいかと思います。
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③.本当の値引きは上司を引っ張り出してから
金額面以外で気に入るポイントがたくさんあって、『このハウスメーカーさんにお願いしよう』と決めるための最終値引きのコツは、最後の項目【上司を引っ張り出す】にあります。
こちらは、どこタイプの建築会社でも最終的にはそこに行きつく場合が多いので、このコラムの最後にお伝えしますね。
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2.中規模な工務店(ビルダーさん)での値引き
中規模な工務店さんの値引きの実情は、
- 値引きではなく、提案での工夫
を頑張っている会社さんも多く、大手ハウスメーカーさんと違って、そもそも値引きありきの体制ではありませんが、その前提での話ではありますが、中規模な工務店さんの場合、何となく、100万円前後の値引きがあることが多いです。
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値引きよりも家の内容で価格を調整する
これが普通の話ではありますが、中規模~小規模の建築会社さんの場合の価格調整は家の内容で調整することをベースにしています。
例えば、お施主様から『総額から100万円下げたい!』という要望があれば、値引きで対応しようとするのではなく、提案で対応するのが一般的です。
- 「間取りを少し削りましょうか」
- 「ここをこれに変更すれば、コストダウンができますよ」
- 「構造をこれにすれば100~200万円は抑えられます」
などですね。
つまり、値引き交渉というよりは、営業さんの提案力・引出しの多さで価格が変わることを覚えておいていただければと思います。
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3.小規模な工務店での値引き
小さな工務店さんのポイントは、中規模の工務店さんと同じく、『値引きではなく提案での工夫』がメインですが、そこに+αで考えられることとして、タイミングと社長の判断が大きく関係してきます。
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タイミングが大切
小さな工務店さんの場合、年間の施工棟数が5棟~10棟ということも多く、1年を通して常に現場が稼働している会社ばかりではありません。
すると、『う~ん…3カ月間現場が空いちゃう(暇になってしまう)からこのタイミングで契約が欲しい!』という状況が出てきます。
もちろん、それくらいの受注数の会社さんであればいつだって『契約が欲しい!』には変わりないのですが、その中でも更に『ちょっと無理してでも取るべき』タイミングが出てきます。
その他にも、
- ちょうど近い現場を抱えていて、時期も被るタイミング
- 会社の決算月に引渡しができるタイミング
などなど、『ちょっと無理してでも…』という気持ちになる理由にはいろいろな状況が考えられます。
これに関しては大きなハウスメーカーさんでも中規模クラスの工務店さんでも当てはまる事情なのですが、やはり会社の規模が小さくなればなるほど、『ちょっと無理してでも…』は“切実”になっていくように感じます。
このタイミングが上手く合うと、お値引きを頑張ってもらえたりしますので、声をかけるなら、『御社の都合のいいタイミングで建築スケジュールがあるなら、そちらはある程度、こちらも調整するので、お値引き頑張ってもらえない?』と聞いていただくと良いかと思います。
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社長の判断が結局大切
その前提での話ですが、小さな工務店さんの場合、実はもっともっと大切な要素があります。
それが【社長の判断】です。
ひとことで言えば、『この人の家を建てたい!』と思うかどうか?で、小さな会社さんとの交渉に臨むのであれば、むしろこれに尽きるように感じます。
『ん??…人情としての話??』と感じるかもしれませんが、例えば、
- この人の現場はトラブルなくすんなり進みそうだ!
- 将来的にいろいろと紹介をもらえそう!
- この家であれば、宣伝効果がありそう!
と思ってもらえるかどうか、です。
つまり、『値引きしてでもこの人の家を建てたい!』と思える理由があるかどうかです。
もちろん、純粋に『このお客さんと家づくりがしたい!』という人情もありますが、それだけではないということですね。
逆を言えば、その会社さんにとって嫌なお客様というのも少なからずあり、そこを見極めている小さな工務店さんや建築家さんも多いです。
お施主様が『この会社は自分たちに合うのか?』という判断をしているように、小さな会社さんになればなるほど、『このお客様は自分の会社に合うのか?』という部分に敏感になっていきます。
そういう意味で『この人の家を建てたい!』と思ってもらえるかどうか、が値引きを左右するポイントのように思います。
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4.設計事務所(建築家)での値引き
【△△〇〇設計事務所】などのような建築家さんに依頼する場合ですが、建築家さんに値引きという感覚はあまりないです…^^;
その中でも、なんとか少しでも予算を下げたいという場合は
- 部材や間取りなどの提案を見直す
- 施工会社さんとの打合せで予算を再度見直す
- 施工会社さんを変える(相見積もりを出す)
という方法になります。
ということで、建築家さんとの家づくりにおいては、純粋な値引きという感覚はむしろ取っ払ってもらったほうがいいかもしれません。設計事務所を価格で判断する場合は、ここら辺も含めた提案力の違いを見ていきましょう。
中にはそういった交渉を一切受け付けない方もいます(それが良い悪いという話ではなく)。
ただ、下請けの施工会社に依頼せずに施工も自社で請け負う設計事務所さんもあり、その場合に限っては値引きもあるかもしれません。
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設計事務所で施工もするのは、、、
しかし、設計事務所で家づくりをする場合、設計事務所が自社施工も請け負うようなやり方はあまりお勧めはしておりません。
というのも、自社施工をしている設計事務所は最初から総額が増える傾向にある、と経験上で感じているからです。
施工は施工で別会社に依頼するようなやり方の方が総額は安くなる、という話で、殆どの場合でこれが当てはまりますので、そう思っておいていただくと良いかと思います。
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余談:建築会社の利益率を知る
費用に関する知識のひとつとして、もし家づくりの検討期間に余裕があれば、会社さんそれぞれの利益率をチェックすることもお勧めします。
それぞれの利益率を知ることで、価格交渉の際に参考になることがあります。
チェックの仕方は、大手さんの場合は企業のIRなどで読み解くことができたりします。少し難易度が高いかもで、こちらのe-戸建てさんのような口コミサイトや、そこで建てた方のブログなどを参考にするといいかと思います。
また、工務店さんの場合は、建設業許可の閲覧という方法があります。具体的な調査方法は私のブログで説明していますので、ご参照下さい(:建設業許可の閲覧方法)
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値引きはいかに”上”を引っ張ってこれるか?
最後に、一番ポイントとなる、『値引きを出すためには上司を引っ張り出す必要がある』という、どの規模の建築会社にも共通する値引きポイントをご説明したいと思います。
これは特にハウスメーカーさんの場合が顕著ですが、値引き交渉は、その交渉期間を引っ張れば引っ張るほど、決断を延ばせば延ばすほど、値引きがもらえる可能性が高くなります。
例えば、営業さんの裁量で『今月契約してくれたら!』という名目で200万円値引きがあったとします(ここでの金額の大小はあまり意識してはいけません)。
①.その場では即決せず、一旦持ち帰る。
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②.翌日、「この金額では決められないという結論になりました」と担当者に伝える。
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③.その際に営業さんから「いくらなら?」と聞いてくれれば、「○○万円だったら…」と希望額を伝えてみましょう。
もし営業さんが返答に困っていたら「御社ともう一社ですごく迷っていて…、でも御社で家を建てたい気持ちもあって、、、」と逃げてもらえば、そのうちその営業さんの上司が出てきます。
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④.その後、上司から「会社から○○万円の追加の値引きを取り付けました」と連絡が来ます。その話を一旦持ち帰るかどうか?は、その時の状況にもよるんですが、その場で「あと○○万円引いてくれたら、今すぐ契約します!」と粘ってみていただいてもいいかもしれません。
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⑤上司の方がその場でさらに上と電話でやり取りなどして決断してくれるか、もしくは持ち帰ってもらって(長くても1日で答えは出ます)結論をもらう。
という感じで、、、、とにかく交渉期間を延ばしていくことで、値引き額が上がっていく可能性が高くなります。(あくまで可能性ですが、、、。)
というものの、会社側としても、月末になんとか結論をもらうための動きなので、それほど時間をかけることはないと思います。『決断を延ばせば延ばすほど』と言いましたが、おそらく1~2日あれば上記の流れは作ることができるでしょう。
もちろん全部が全部うまくそんな流れになるわけでもないので、あくまで一例としてフレキシブルにお考えいただければと思います。
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小さな工務店さんの場合
小さな工務店さんの場合は、最初から社長、つまりいちばん上の人!という状況だったりします。
『できればここにお願いしたいな』と優先順位が一番上になったタイミングで、その工務店さんに【譲歩できる条件】を打合せしながら小出しにしてみましょう。
例えば、
- 建築時期(着工時期にこだわらない)
- 引渡し時期(完成時期にこだわらない)
- 見学会や知人に勧めたい意思(SNSでの発信力など)がある
- その会社さんへの好意度(デザインや提案力、人柄をいかに気に入っているか)
を伝え、そして、決断を迫られた時に『あと少しだけ何とかなりませんか??』をそれ相応な理由づけをもってお願いしてみてください。『もう一社と金額の差があって…』などですね。
何度も打ち合わせをこなして人間関係ができていれば、単純に『もう少し値引きして~!』でも良いかもです^^;
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大切なのは「無理な値引きをしないこと」
家を買う!と決めたときに、やっぱり気になるのがお金のこと。それは皆さん同じです。
やみくもに『値引き!値引き!』ではなく、会社の規模や体制ごとに値引きに持っていくプロセスが異なる、という事実をしっかり把握することがコツと言えます。
また、選んだ建築会社の提案力や担当者の人柄などを気に入ったら、最後の一押しとして値引きの引出し方を知っておくと、よりスムーズに納得できる金額に到達できると思います。
ただし、無理な値引きは家の質を落とす要因になったり、担当者からも『値引き要求がしつこい客』という印象を持たれてしまうので、それはこちらとしても得策ではありません。
あくまで常識的な範囲で、『ダメもと』くらいの気持ちでお願いしてみましょうね。
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さて、第4回目のコラムテーマは、【工務店ファーストで家は考える!…と意外とすんなり進むかも??】です。
大満足できる家づくりになるかどうかは、選んだ建築会社が大きく結果を左右します。そこで、工務店を選ぶメリットについて詳しくお伝えしていきたいと思います。
↓↓↓参考記事はこちら↓↓↓
お役立ち情報:建設業許可の閲覧方法(工務店さんで値引き交渉をするなら必見!)
参考記事1:価格交渉がだめなら他を見れば良い!?
参考記事2:とりあえず契約なんて絶対だめ!!
参考記事3:ハウスメーカーさんのありえない値引き…
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