今回は『注文住宅を建てるなら!』という話を2つの切り口からしてみたいと思います。
一つ目は、
- 家づくりの統計データから、今の家づくりの流れ
で、統計データをみることで、今の家づくり、注文住宅の流れを理解していきます。
二つ目は、
- 注文住宅の間取りの話
で、こちらは、先回のブログ記事の続きの話をしていきたいと思います。
先回の記事:北側道路の土地での間取りの取り方【実践】
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目次
せっかく注文住宅を建てるなら:①.統計データ
先ずは統計データの話で、詳しい統計データはこちらをご参考下さい。
2017年度 フラット35利用者調査(*参照:住宅金融支援機構の2017年度フラット35利用者調査の統計データ)
この統計データを使って話を進めていきますが、2017年の住宅ローン利用者の統計データを見てみると、
というデータになっていて、
- 注文住宅の所要資金は4年連続で上昇
- 建売住宅の金額はここ数年、横ばい
という事が書いていて、つまり、注文住宅の家の価格はどんどん上がっているという事が見て取れます。
*2022年9月現在にこの記事の更新をしていますが、今はさらに物価上昇に伴い、家の価格上昇に拍車がかかっている状況で、この所要資金の上昇はずっと続いている状況と言えます。
また、別のデータで“注文住宅の平均床面積の変化”つまり、家の大きさの変化を見てみると、
【注文住宅の床面積の変化】(家の大きさの変化)
- 2007年:140.0㎡(42.35坪)
- 2012年:133.6㎡
- 2013年:132.9㎡
- 2014年:130.8㎡
- 2015年:129.5㎡
- 2016年:129.4㎡
- →2017年:128.2㎡(38.78坪)
となっており、家を建てる大きさは、10年間、ずっと減少が続いています。
*因みに、建売住宅の床面積は、[2007年:106.4㎡]→[2017年:101.5㎡]と横ばい(少しだけ減少)を続けています。
まとめると、注文住宅:10年前と比べて、床面積は1割減、価格は1割UPとなっており、2022年の現在はもっとこの数値が大きくなっていると予想されます。
*
この2017年までの価格上昇の原因は、設備が原因と言われていて、
- 窓の仕様、断熱材の仕様(厚み)が良くなっている
- 家につける機器がふえてきている
が一番の要因だと言われています。
その為、仕様があまり変わっていない建売住宅の価格は横ばいで推移しているとも推測できますが、2022年の現在は建売住宅の場合も同様なことが起こってます。
建売住宅の場合は土地が小さくなっていっているのが顕著に出ています。
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中古住宅市場の活性化??
こういった統計データが出ている為、次にこのデータも検証していかなければいけません。
はい、タイトルでもありますが、中古住宅市場のチェックです。
こちらもデータがありましたので、見てみたいと思いますが、
【中古住宅の築年数】
*参照:住宅金融支援機構の2017年度フラット35利用者調査の統計データ
グラフを見て頂くと、中古住宅市場の平均築年数の長期化が見て取れます。
つまり、中古住宅市場は、
- 10年前:築20年未満の物件が8割以上
- 2017年:築20年未満の物件は6割まで下がっている。
という情報が解ります。
このデータをみれは、築年数の古い家の売買が活性化されてきているのがわかります。築年数が古い=家の価値はほとんどない状況と簡単には言えませんが、予算をあまりかけずに家を持つことを考えた時の選択肢として、中古住宅を検討される方が増えてきているとも言われています。
実際に不動産業界を見て、不動産情報をみていても、それは感じます。
こういったデータをみることで、
- 家づくりの築年数の長期化
- 新築は高くて買いづらい
が、進んでいるようにも感じます。もちろん、こういった価格の上昇に伴い収入(お給与)が増えていけば良い循環ではありますが、、、。
この流れが今後続くのかは解りませんが、明らかに10年前と比べても住宅市場の変化を感じます。*この記事を2022年に更新している現在も物価上昇は拍車をかけて続いていて、5年前(2017年)と比べてもさらにかなり上がっている状況だったりします。
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中古住宅市場から、注文住宅を考える
こういった中古住宅市場を考えれば、これから、注文住宅を建てる方は、将来、家を売る可能性も検討すべき項目かとも思います。
また、売却を考えるのであれば、
- しっかりとした家の構造と性能を確保する
- それを保証する制度の利用(今で言えば、長期優良住宅やZEH)
は検討しておきたいところかと思います。
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今求められている家は??
次に、別の統計データも見ていきます。
こちらの統計データは、一般のお施主様が、家に何を求めているか?が解りますが、こちらを見てみると、実際に、今求められている家づくり(注文住宅)での上位3つは、
- 1位:住宅の性能(省エネ性能、耐震性能など)
- 2位:立地(土地購入を伴う)
- 3位:デザイン
となっています。
詳しくはこちらから統計データを見てみて下さい(注文住宅の動向 平成29年度における住宅市場動向について(住宅金融支援機構参照))
因みに、5年前までは、家の性能、立地、価格がトップ3をずっと独占していた状況だったのですが、ここ最近、デザインが浮上してきています。
あきらかな家づくりのトレンドとなっているのが家のデザインというのがこの統計からわかります。
家のデザインに関しては、今後の中古住宅市場に影響を少しづつ与えていくように感じますし、『せっかく家をたてるなら!デザインも!!』は私もずっとお伝えしてきている所ですので、是非意識してみて下さい。
注文住宅:間取りデザインを考える!
はい、上の流れも含めて2つ目は、『せっかく注文住宅を建てるなら!』を間取り、デザインの観点から、具体的な例を出して、話をしてみたいと思います。
また、注文住宅をお考えの方は、『外観よりも、内部デザインの方が大切!』とお考えの方も多いともおもうので、実際の間取りをつかって、内観、特にLDKの内観に関して話をしていきたいと思います。
↓今回資料としてつかう間取り↓
この間取りをつかって、色々と話をしてみたいと思います。
*今(2022年)見ると、味気ない間取りですみませんが、当時のままで解説をしていきます💦
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LDKのインテリアとその費用を考える。
はい、こちらは好き嫌いもあるかと思いますのであくまで一例として話を聞いて頂ければと思いますが、先ずは、この間取りから内観パースをイメージしてみたいと思います。
↓↓LDKの内観パース↓↓
と、この間取りですと、こういった感じの内観イメージになってくるかと思います。
ここから、
- お庭はどうする??
- もう少しデザインを付け加えたら??
- キッチンの見え方はこれでいい??
- その裏の収納はどうする??
などを検討していきます。
*
はい、ここで、せっかく注文住宅を建てるなら!です^^
例えば、
↓↓↓LDKにデザインを加える↓↓↓
という感じで内部のインテリを変えるとどうでしょうか。
【↓変更箇所↓】
- お庭:ウッドデッキ、その先に植栽や目隠し塀を設ける
- キッチン:リビング側から収納を造作で追加する
- キッチン2:背面収納を造作で考えてみる
- リビング:ダイニングキッチンの天井を下げる(リビングを高く見せる)
を追加してみます。
何もないLDKから、こういったデザインを考えることが出来ます。もちろん、予算もあるので、建築会社さんとの協議は必要です。
ここは、注文住宅ならではの楽しい所です。
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デザインUPの費用は大丈夫?
また、ここで注意点ですが、こういったデザインの付け加えることは、予算UPが当然出てくる話でもあります。
- 本体価格は○○万円/坪
だったとしても、こういったデザインUPをする事で追加オプション工事:○○万円という項目が出てきます。
また、このオプション工事を考えるにあたって、お願いする建築会社さんによって、金額の違いが出てくる。ことを意識しておかなければいけません。
例えば、上記の追加項目で述べると、
- ウッドデッキや外構:80~150万円
- キッチンのLDK側の収納造作:10~60万円
- 背面収納の造作:10~60万円
- リビングを高くする(もしくはキッチンを下げる):20~100万円(それ以上の場合も)
という費用UPが出てきますし、金額の違いが建築会社さんによって、上記のような幅が出てきます。
*写真はパースに似た実際の施工事例です。
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なぜ会社によって、費用UPが違うのか??
ではなぜ、こういった費用UPの違いが出てくるのかも、ここで少しだけ解説しておきます。
費用UPの違いで明確な理由、『その理由はこれ!!』というのは無いですが、
例えば、
- A工務店の場合
A工務店さんは、家の価格を延床面積(家の大きさ)で計算している。
その場合、天井を下げるなどの費用UPは、純粋に必要な部材費用のみだったりするその一方で、
- B建築会社さんの場合
B建築会社の場合、天井を下げる=大工さんの人件費が追加で必要で、そういった場合、大工さんの人権費:LDKの追加で20~30万円、部材費用:20~30万円という計算方法になる会社さんもあります。
- Cメーカーさんの場合
Cメーカーさんの場合、標準の家の形からそもそも外れてしまう場合もあり、そういった会社さんの場合、そもそもの価格の違いが大きく出てくる可能性もあります。
*
そういった違いが会社によって出てくる所を先ずは少しだけ意識して家づくりの検討を始めて頂くと良いかとも思います。
- 建築会社さんをどう選ぶか?
- 打合せをどう行っていくか?
も意識しておいて頂くと、後々、家づくりが楽しくできるか?の違いにもなってきます。
因みに、建築会社さんによっては、上記の話で、
- 構造計算をしないと、壁の端まで窓を寄せれない!
- 天井を窓上ギリギリまで下げれない!
- そもそも、うちでは施工できない!
などの話が出てくる会社さんも出てきます。
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注文住宅を建てる:まとめ
- 『せっかく注文住宅を建てるなら、デザインも!』
という所から、統計データの話を中心に間取りのデザインの話とその注意点の話をしてみました。
後半の間取りの話は、色々な発想があるかと思うので、この記事だけではなく、他の記事も是非参考にして頂ければと思ってますが、
こういった観点から、建築会社を選ぶ方法もあるという事をここで知って頂ければと思います。
【その他の統計の参考データ】
*参照:中古住宅流通、リフォーム市場の現状(国土交通省)
【その他の参考記事01】:木造2階建てに構造計算は必要??
【その他の参考記事02】:木造ラーメン工法(構法)の徹底比較
【その他の参考記事03】:気密・断熱性能で“先ず!”知っておくべき3つの事
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