*2022年8月更新
久しぶりに家づくりの基本知識を書いてみたいと思います^^
そして、今からお話しする内容である
- 家のお金の話
- 標準使用からの価格UP
この二つの項目に関しては、
- ハウスメーカーさん
- ビルダーさん
- 工務店さん
といった会社の体制の違いで、価格の違いがかなり出てきます。
ですので、最終的には、“それぞれの会社で確認が必要”という事も覚えておいて頂ければと思います。
…
目次
何故、総二階の家が一番安く出来るのか?
という事で、先ずは、お金の基本を理解していきましょう!
タイトルは、
『何故、総二階の家が一番安くできるのか?』
を理解していきたいと思います。
こちらの話は、
- ハウスメーカーさん
- ビルダーさん
- 工務店さん
- 建築家さん
この4つのタイプのどの家づくりでも、同じ考えが出来ます。(各会社さんの金額UPの違いはありますが、考え方は同じです。)
***
1.家のお金、“外壁の量”や“施工”を考える
何故?を解説していきますが、
先ずは、単純に、“家の形の違い”から理解して行って頂ければと思います。
↓↓↓
上図は、家を上から見たイラストです。
見て頂ければわかりますが、“同じ大きさの家(正方形が4つで組まれている家)”でも、
形の違いから
- 左:正方形の家
→外壁の量は8:出隅(角)の数が4 - 真ん中:長方形の家
→外壁の量は10:出隅の数が4 - 右:L字の家
→外壁の量は10:出隅の数が5、入隅の数が1
と、外壁の量と施工の難しさが異なります。
*外壁のコーナー部分(出隅や入隅)が多いことで、外壁加工(捨て材)なども含めて価格が変わります。
*当然、凹型は、外壁の量や出隅(入隅)の量がもっと増えていきます。
…
つまり、上図のイラストから見ると、正方形の家が一番安くできるという事がご理解頂けるかと思います。
【40坪での金額の違い】
大よその目安程度にはなりますが、40坪で上記の違いをお伝えしていくと、
- 総二階・正方形の外壁:200万円
- 総二階・長方形の外壁:240万円
- 総二階・L字の外壁:260万円
という違いが出てきます。
、、、これは如何でしょうか。
実際の場合、総二階・正方形の家というのも少し珍しいかと思うので、そうでない場合を考えると、
“同じ40坪でも20万円~の違い”が外壁材で変わってきます。
『、、、ん?、、、それぐらい?、、、だけなの??』と思われる方も多いかもですね^^;
はい、それぐらいです。これを多いと取るか、それぐらいととるか?は人ぞれぞれですし、実際の家はもう少し細かく設計が出てきますので、もう少し差が出てくることも多いですが、それぐらいです。
***
2.家のお金:基礎や屋根を考える
次に、同じような要領で、
別の視点、家を横から見てみましょう。
↓↓↓
上図は家を横から見たイラストになりますが、
こちらも見て頂くと、“同じ40坪の家”でも、
- 左:総二階の家
→基礎の量が20、屋根の量も20 - 右:総二階じゃない家
→基礎の量が30、屋根の量も30
と、基礎の量と屋根の量の違いが出てきます。
単純に考えると、40坪の2階建ての家の基礎で、
- 左:総二階の場合、基礎価格が100万円
- 右:そうでない場合、基礎価格は150万円(10坪増える為)
と、“50万円の違い”が出てきます。
屋根に関しては、
- 左:総二階の場合、60万円
- 右:そうでない場合、90万円(10坪増える為)
と“30万円程の違い”が出てきます。
この二つだけで、トータルで80万円の違いが出てきますので、40坪で言えば、坪単価2万円の違いが出てきます。
***
3.上記二つの組み合わせ+アルファ
また、実際の家づくりになると、もう少し複雑に要素が絡み合ってきますので、上記の組み合わせを考えて、単純に『坪3万円ぐらいの違いか~!』と思うのも怖い所はあるかと思います。
ただ、必要以上に価格が上がる、例えば、『坪10万円上がります!』とか『坪20万円上がります!』とかは正直会社による価格設定の問題の方が強かったりもしますので、正確な知識をみにつけることは、コスパの良い家を建てる時の絶対条件というのが伝わればと思い記事としています。
***
家のお金:会社で価格UPが違うのは?
はい、少し話を戻しますが、上記の事から、
- “総二階で真四角の家が安い理由”
がご理解頂けるかと思います。
その上で、です。今しがたお伝えしたように、同じような変化があったとしても、
- A社:100万円UP
- B社:200万円UP
の違いが出てくるのが、家づくりを難しくしているところです。
***
こうして、会社による費用UPの違いが発生しています。
ここも知識として重要なので、長くなってしまいますが、説明をしていきます💦
例えば、A社とB社の価格UPの違いを簡単にお伝えすると、
このイラストで、左の図の基礎が100万円だった場合、その100万円の中には、
- 部材費用
- 大工さんの施工費用(人件費)
- 諸経費(基礎の型枠や重機費用など)
が入ってきます。
で、ここで考えてみたいのが、右の基礎です。
基礎が30坪分になった場合、部材は1.5倍になるのは理解できますが、
- 人件費は1.5倍になるのか?
- 諸経費は1.5倍になるのか?
と言われるとそうではありません。
- 施工期間は変わらない(もしくは1~2日延びる可能性もありますが)
- 施工費(人件費)は変わらない(期間が変わらないから)
です。
- また、諸経費も、必要な重機は変わりませんので、変わらない事もご理解頂ける所かと思います。
はい。
つまり、純粋な違いは部材費用のみという計算も出来るという話です。
今は基礎工事の例でお話ししましたが、上図の“外壁や出隅(入隅)”に関しても同じ事が言えます。
つまり、本来は、
“単純に部材費用のみのUP”となるのが普通なのですが、中には、
- A社:部材費用のみ1.5倍UPで50万円UP
- B社:すべてが1.5倍UPしてしまい70万円UP
という違いが出てきます。
本来であれば、この話は、会社ごとの基礎の施工単価の違いも考慮する必要がありますが、話をシンプルに理解してもらう為に、今回はご説明を省きますが、そのような違いが会社によってあることを覚えておいていただければと思います。
話が飛びますが、ここら辺の違いが判ることで、“契約前に間取りを詰めて、見積もりをもらう重要性”の理解も深まるのではないでしょうか。
【知識:家のお金はどう構成される??】ーーー
また、もう少し根本的な話として、“家づくりのお金をどうやって出しているか?”の理解も必要ですが、そちらに関しては、
以前のブログ:家を建てる費用ってどうやって出している?
を読んで頂ければとも思います。
*積算方式がメインとなっているのは、お客様(また、下請け業者が元請け業者)に見積もりの妥当性を説明しやすい為ですが、実は、本来の単価は違う計算で出されている事があるという事を何となく理解して頂ければと思います。
ーーーーー
***
【応用編】家の空間を考える。
ではでは、上記の家のお金の基本を理解して頂いた上で、
- どのような家づくりをすると、費用対効果が高い家が出来るのか?
を少し考えてみたいと思います。
【総二階、真四角(できるだけ正方形)】の家が一番割安になる事のご理解は大丈夫ですね^^
という事で、イラストを一つご紹介してみたいと思います。
↓↓↓
例えば、上記の話を元に考えれば、右のイラストの家のように、すると“費用対効果の高い家“が出来るかもしれません。
- スキップフロア
- 小屋裏空間
- 基礎空間
を利用した家づくりですね。
これらは、上記で述べた事を考えれば、家の外観や基礎での費用UPをなるべく少なくして出来ます。
つまり、
- 40坪→43坪と家を大きくするよりも、
- 40坪の中で、有効的利用を考えられる
事になります。
今は、“高気密・高断熱の家づくりが基本”ですから、特に、小屋裏利用などは、上手に考えて頂ければ、それだけで一部屋設ける事が出来るかと思います。
- 40坪の家
↓↓↓
37坪+小屋裏(3坪)にして、価格を抑える家づくりが出来たりします。
***
空間利用の注意点
『、、、だったら、そうしよう!』となる方も多いと思いますが、こちらも少し注意点はあります💦
こういった空間利用をする場合、例えば、スキップフロア(中二階)をつくる事を考えると、リビングから、スキップフロアや基礎空間は見える形になる事も多く、しっかりとインテリアを考える必要も出てきます。
- つまり、デザインの為の追加費用は考える必要がある。
と言う事が注意点です。
また、イラストの右と左で、“ピンクと青い部分の量の違い”を見て頂ければわかりますが、
- 床の量は当然増えます。
- 階段の量も当然増えます。
です。
なので、その費用UPも考える必要がありますね。
例えば、坪単価50万円の家づくりをしている会社さんだっとして、単純に40坪から37坪に減らしたとしても、150万円の減額になる事は無いという事の理解も必要です。
(、、、お願いする建築会社さんによっては、価格の減額は殆ど無いかもしれません💦)
【坪数を減らすメリットも、、、】
逆に、40坪→43坪と家の面積を大きくするよりも、
- 固定資産税
- メンテナンスコスト
- 光熱費
等は少なくなっていきますし、家づくりメルマガでもお伝えしておりますが、坪数を減らす事で
- インテリアにお金がかけられる
- 動線は短くなり易い
というメリットが出てくるので、価格が下がらなくても、その分の予算を他に回すことはできます。
***
まとめ:会社による費用UPの違いをしっかりと検討すべき!!
まとめます。
例えば、
同じ40坪の家でも、イラストのように左(一番割安な家づくり)と右(割高な家づくり)で比べた場合、会社による“価格UPの違い”違があります。
例えば、
A社:
- 左:40坪で2000万円
- 右:40坪で3000万円
B社:
- 左:40坪で2200万円
- 右:40坪で2600万円
という“会社による違い”が出てきます。
なんなら、総二階はA社の方が安いけど、そうでない場合はB社が安い!、という場合が普通に出てきます。
、、、そういう事例は本当に多くあります💦
また、お施主様も最初は『総二階の家で良いよ~!』と思っていた方でも、家づくりは、時間が経てば経つほど、『あーしたい!こーしたい!』が出てきて、やっぱりこだわりたい!となる事も多いです。
(もちろん、内装の仕上げ方によっては、この差はさらに広がる場合も出てきます。)
ですので、会社選び、とっても大切で、家の価格の基本を学ぶのであれば、会社による違いを理解することも基礎知識の中に入ってきますので、是非、ここで覚えておいていただければと思います。
長くなってしまいましたので、今回はこれぐらいで終わりますが、是非、意識して、価格の所も考えていただければと思います。
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参考記事:家を建てる費用ってどうやって出している?
参考記事:第一種低層住居専用地域での家づくりは、北側斜線制限を考える
参考記事:二階リビングのメリット・デメリット
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