家のライフサイクルコスト(LCC)
ライフサイクルコストとは、生涯に必要な費用の事で、家の場合、メンテナンス費用、光熱費、固定資産税、リフォーム費用、解体費用など、その家でトータルに必要な費用の事を言います。
この話は、少し前までは、大手ハウスメーカーさんだけが頻繁にしていた話ですが、最近では、このライフサイクルコストの話は、工務店さんや建築家さんでも意識がなされている状況です。
逆に、建築の自由度という側面から、ハウスメーカーさんのLCCよりも良い提案を出すところも出てきました。
話を戻しますが、
家づくりの考えても、ライフサイクルコストは、非常に大切な考え方です。
ライフサイクルコストの考え方を学びつつ、建築会社さん選びを考えて頂くと良いかとも思います。
目次
ライフサイクルコストって何??
先日、某大手ハウスメーカーさんの住宅営業マンさんが自宅に来ました。(経緯は省きます)
その際、私は、その営業マンさんに嫌らしくも、建売業者さんのチラシを見せて、気になっていた家の価格に関してきいてみました。
ハウスメーカーさんの家は何でそんなに高いの?^^;
その答えが、
ライフサイクルコスト!(以下、LCCと書きます)
だそうです。
実際に受けた説明を要約してピックアップしてみると、
『家は建ててからもお金がかかる。』
↓
- 外壁の塗り替え費用:
→普通の会社さんだと、30年間で3回、1回当たり100万円かかる計算で、300万円かかる。
→弊社なら30年後に一度、150万円で済みます。 - 光熱費:
→弊社の場合は高気密・高断熱だから、毎月何千円とお値打ちになります。 - アフターメンテナンス:
→無料点検が付いている為安心です。 - 家の耐久年数:
→通常30年ぐらいで建て直しですが、弊社は60年持ちます。
といった4つを教えてもらいました。
最後に
- 『結局、後で払うか、先に払うかの問題です。』
- 『弊社は、先にお金がかかりますが、後からかからないようになっているんです。』
との事。
そのチラシのようなローコスト系の家を買うのはおかしい!と営業マンさんに言われているような感じで説明を受けました。
“ハウスメーカーの家を買うのが正解なんだ”と説得されているようにも…。
実際のライフサイクルコストを考えるならこの4つ
この上記のLCCの話の実際はどうか??ですが、
家のLCCを考えるなら、
先ずは、これからあげる、4つの違いを把握する必要があります。
①.外壁のライフサイクルコスト
一つめは、外壁のLCC。
営業マンさんの説明だと、一般的には10年程度で一回の塗装が必要!という話ですが、実は、
- 一般の建築会社さんのつかう外壁材も、光触媒や親水性の外壁材は多く流通しています。
↓ - 塗り替えサイクルは15~20年で一度というのが多くなってきています。
また、塗替え費用としては、
- 35坪前後の家であれば、80万円以下が妥当なライン。
↓ - つまり30年間で計算すると160万円以下の計算が出来る話になります。
仮に、
大手ハウスメーカーさんの外壁塗替えサイクルで比較したとしても、30年間で10万円の違い、もしくは、よりお値打ちになる!
という話になってきてしまいます。
一般的に注文住宅でよく使われるサイディングにも、ランクが様々あり、もし、低いランクの外壁がついていたとしても、少しの費用UP…例えば20~30万円ぐらいで、上記の性能基準はクリア出来ていきますので、ご参考頂ければと思っております。
②.光熱費のライフサイクルコスト
次に光熱費に関してのライフサイクルコストを考えてみます。
その際、まず必要なのが、
家が、鉄骨造か、木造か?を比べる事。
結論から言うと、木造の方が熱を通さない為、家の断熱性は圧倒的に良い為、光熱費に関するLCCを意識するなら、木造の住宅を選ぶ事がオススメです。
これは、
基本的な気密・断熱性の数値からも調べる事が出来、ライフサイクルコストの観点からこの断熱性、気密性をうたうのであれば、
最低でも、
Q値(断熱性)=1.6以下、C値(気密性)=1.6以下
は必要だと思います。*…個人的な感覚です。
因みに、ハウスメーカーさんの営業マンさんに聞いてもらえれば良いのですが、この数値をハウスメーカーの鉄骨系でクリア出来ている家は、殆どありません。
逆に、
木造メインの工務店さんや建築家さんの場合、比較的簡単に出せる数値でもあります。
それぞれの数値を其々の会社で聞いてみるのも良いかもしれません。
その上で、
あくまで、その上での話ですが
- オール電化orガス併用
- 太陽光発電システムが有or無
- 全館空調システムor個別のエアコン
- 給湯器の機種
など、付ける設備の検討のをして頂ければと思います。(それぞれの維持メンテナンス費用も踏まえ)
この話は、会社選びがどうこう!ではなく、設備ですので、先ずは、断熱・気密性、光熱費を意識した会社選びをして行って頂ければと思います。
③.アフターのライフサイクルコスト
次に、アフターの話。
こちらも、アフターに関する内容をしっかりと理解して頂ければと思います。
点検が無料かどうかよりも、
- リフォーム費用が高いか安いか?
- メンテナンス費用が高いか安いか?
の会社ごとの違いが大切で、はっきり言えば、殆どの会社さんはどこも点検は無料です。
同じリフォーム工事でも、100万円か200万円か?という違いがある事を理解出来ているかどうかの方がLCCを考えるのであれば大切です。
④.耐久性に関してのライフサイクルコスト
耐久性で見るライフサイクルコストは、鉄骨の方が良いと思います。
- 鉄骨はサビ
- 木造はシロアリ
- 鉄骨・木造、両方に湿気
の問題はもちろんあるものの、単純に耐久性を比べるのであれば、鉄骨です。
*因みに、鉄骨の厚みの違いで耐久性は変わります。
木造で言えば、
- 在来工法の場合で言えば、柱の太さ、使う木材密度、
- 在来工法よりも、金物工法
- 金物工法よりもラーメン構法
だったりします。
そういった違いを先ずは抑えましょう。
何故このような事を言うのか?
家のライフサイクルコストは、インターネットや雑誌など、何処の説明を見てもざっくりと、ハウスメーカーがよくて、その他の会社は悪い!といったニュアンスで書いている所が多くあり、特に建売住宅などは、たたかれています。
もちろん建売は、そのつくり方で心配な所もありますし、実際にクレームになっている事も良く聞きます。
ですが、これらは、ライフサイクルコストの問題というよりも手抜き工事かどうかの問題だったりします。
特にハウスメーカーを批判したいという事ではありませんが、むしろこの家のライフサイクルコストは、ハウスメーカー、工務店、建築家、ローコストで判断できる問題ではない事をお伝えしたいです。
住宅に関するキチンとした知識を身につけていただければと思って思い切って書いてみました。
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参考記事1:家を買う時必ずすべきお金の相談
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