パッシブハウスとは:ドイツパッシブハウス研究所が規定する性能認定基準を満たす省エネルギー住宅である。建物の性能を上げる事により、高性能の熱交換器による空調設備だけで、アクティブな冷暖房器具が不要。|ウィキペディアから抜粋
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【パッシブハウス】
パッシブハウス、最近、色々な所でその名を聞くようになった家づくりの考え方の一つです。
聞いたことがある方、ない方いらっしゃるかと思いますが、これからの家づくりを考えるのであれば、是非知っておきたい考え方の一つになるかと思いますので、この“パッシブな家づくり”に対して、知識の共有をしていきたいと思います。
ものすごく簡単に、今の日本の家づくりに置き換えて言うと、“エアコン一台で快適に過ごせるレベルの高気密・高断熱な家づくり”の事と理解して頂ければと思います。
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今回の記事では、①.先ずはパッシブハウスの考えの基本を学び、パッシブハウスで(色々な会社さんで)、重点的に言われている
- 高性能な窓
- 庇の考え方
- 熱交換型の換気システム
の3つを共有していきたいと思います。
また、最後に少しだけ、“通風し”を良くする事の重要性もお伝えします。
風通しに関しては、高温多湿な日本の家づくりならではですが、パッシブハウスを満たす上で必要な要素でもあります。*お勧めの書籍をご紹介すると共に、簡単な概要をお伝えしていきたいと思います。
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目次
パッシブハウスの考えを学ぶ
パッシブハウス、数年前ぐらいから、度々話題に上がっている家づくりの考え方で、上記でお伝えした通り、もともとは“ドイツでの家づくりをベース”とした考えになり、それを日本の家づくりに調整をした考え方になります。
そこで、基本を理解する為に先ずは、日本とドイツの住環境の違いから話をしていきたいと思います。
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ドイツと日本の気温の差
- ドイツ:
最高気温:夏場、高い地域で25℃ぐらい
最低気温は:-3℃ぐらい - 日本:
最高気温:東京都の夏場で40℃ぐらい、
最低気温:2℃ぐらい
となるので、ドイツの方が日本よりも寒冷地という事が言えます。その為、ドイツからきたパッシブハウスの考え方自体は、主に冬の寒さ対策がメインで、日本では、それにプラスして夏の対策を取り入れる考えが加わっています。
また、ヨーロッパ全体でも、冬の寒さ対策が家づくりがメインで、セントラルヒーティング(全館暖房)の考えが定着しているのですが、気密・断熱性能をできるだけ上げる家づくりが基本のパッシブハウス(→エアコン一台で)の考え方になります。
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といった気候の違いの前提条件を理解していただいた上で、ドイツの断熱基準は、ZEH基準で言うところの北海道のUA値(0.4)ぐらいの基準値が求められています。
*UA値は断熱性能を表す数値で数値が小さければ小さい程、断熱性能が高いという判断になります。また、この基準に関する表は先回のブログでお伝えしておりますので、そちらもご参考頂ければと思います。|2017年の家づくり!気密・断熱性能
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ドイツの仕様をそのまま日本に??
という事で、そもそも日本とドイツでは気候条件が違うので、そこまで!高断熱を考える必要はない??とも言えます。
また、ZEHの考え方を見れば、日本の家づくりの全体的な方針としては、一定基準の高断熱化住宅をクリアしつつ、太陽光などの創エネを考える方にも力を入れているのが解ります。
あくまで、考え方としてですが、日本としては、北海道や東北などの寒冷地域を除けば、ドイツの基準までいかなくても、断熱・気密性能はQ値1.0~1.5程度(UA値としては0.5~0.6)ぐらいまでに抑えようという感覚になります。
因みに、UA値で0.4ぐらいまで出そうと思うと、かなりの断熱UPが必要となってきて、構法などの検討が必要になってきます。
その為、お願いする建築会社さんによっては、そもそも対応できない、費用UPが全体の2~3割UPという会社さんも出てきます。
『、、、とても、そこまで(費用UP)は考えられない!』『そこまでする必要ある!?』ともなります。
そこで、ここからは、少し具体的に“家づくりで考えるべきパッシブ”を話をしていきます。
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①.パッシブハウス:窓
上記のパッシブハウスの概要を理解して頂いた上で、少し現実的(価格UPも考慮した)な家づくりに落とし込んでみたいと思いますが、パッシブハウスを考えるなら、先ずは、窓!です。
実は、世界的な観点から日本の家づくりを見た時、最も悪いと言われているのが、窓の性能で、また、そもそもの話として、家の熱の流入と流出の半分以上は窓から、です。
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断熱性能を上げるなら、先ずは窓!
上記の話を考慮すれば、先ずは、“窓の仕様を上げる事”が大切で、実際に日本の窓は、北欧の市場と比べて、性能が低い言われています。
断熱性能を上げる=断熱材を良いものにする、という発想ではなく、断熱性能を上げる=窓の性能を上げる・窓の量を減らす
を考えるべきです。
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LOW-Eのアルミ樹脂のペアガラス
さて、日本の家づくりで、一番多く使われている窓は、LOW-Eのペアガラス(二重窓)で窓枠部分がアルミ(外側)-樹脂(内側)の窓になります。
ですが、パッシブハウス→快適な家を考えると、最低でもLOW-Eのペアガラス(二重窓)で窓枠部分を樹脂-樹脂(内側も外側も)に変える事、がコストも考慮したうえでの優先的な対策になるかと思います。
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窓の量を減らす
また、窓に関しては、つける量(家全体の窓面積)を少なくする事で、断熱性能をあげる事も出来ます。
もちろん“必要な開口”は当然ありますし、“住みやすさ”もありますので、あくまで全体のバランスを考慮する必要があります。
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②.パッシブハウス:庇を設ける
庇に関しては、主に夏場対策としての話になりますので、こちらは日本独自(夏)の対策とも言えます。
パッシブハウスを日本で考えるのであれば、夏の暑さ対策(日射コントロール)も重要で、この庇の話は必ず出てくる話です。
庇は、日射のコントロールをすることは勿論、雨が降っている時に、換気として窓を開けられたりもするので、過ごしやすい季節である春や秋で窓を開ける場面で役に立ったりもします。
因みに、太陽の角度が低い冬場は庇の有無は関係なく、日が入る場所であれば庇が有っても日は入ります。
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デザイン的にも、庇を掛ける事で、家に奥行感を持たすことが出来るメリットもあります。
庇を単純につけるのではなく、色々な庇の作り方、表現のしかたがありますので、こちらはまた別の意味で勉強も必要です。
さて、話を戻しますが、この庇の話は、パッシブハウスだから、云々というよりも、基本的な家づくりの夏場対策として必要になるかと思います。
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③.パシッブハウス:熱交換型の換気システム
3つ目が熱交換型の換気システム(第一種換気システム)です。
と言っても、先ずは、熱交換システム?となるかと思いますので、少しイラストをつかって、先ずはそもそもの熱交換システムを簡単にご説明してみたいと思います。
例えば、冬の寒い時期で考えると、
このイラストのように、給気(外気を家の中に取り込む)と排気(家の中の空気を外に出す)の際に、熱移動(熱交換)を行い、寒い空気(0℃の空気)をそのまま室内に入れず、暖かい空気に変えて(16℃ぐらいまで上げて)室内に入れる。
(通常、多くの家で採用されている第三種換気システムの場合、単純に冷たい空気(0℃)がそのまま(0℃のまま)室内へ入っていきます。)
というものです。
熱交換自体は、そのユニットを設けるだけの事ですので、特に光熱費がかかるものでもなく、効率よく換気と家の保温が出来、結果として“光熱費を抑える事ができる”ものです。
換気システム:(第一種、第二種、第三種換気の違い)
詳しい説明はこちらでしておりますのでご参考ください。
高気密高断熱、10個の注意点
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はい、光熱費を抑える事を考えても、熱交換型の第一種換気は非常に有効で、“熱交換を行う換気システム≒第一種換気”が言えます。
その他にも、第一種換気システムを採用する事で、気密性能も大きく上がります。そこら辺を考えて頂いても、コスパの良い製品になってきますね。
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パッシブハウスのまとめ
とりあえず、この段階でまとめてみたいと思いますが、日本の断熱基準はどうなのか??を考えた時に、世界的にみれば、気候条件等を考えつつ、日本の断熱基準は高いものでもないという前提のもと。
パッシブハウスのもともとは、”エアコン一台で家が快適になるぐらい気密・断熱性能の高い家”という考え方、冬の寒さをベースに考えられているのですが、
日本の家づくりでは、夏の涼しさも考えて庇の計画をしっかりと考えてた方が良いこと。
また、現状の家づくりで、断熱気密を上げるのであれば、先ずは窓を見直すこと。次に換気システムの検討をすること。になっていきます。
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どこまで予算をかける??
また、これらは、予算UPが出てきますので、家づくりの初めのタイミングで、“初期費用をどれぐらい+でかけるか”を考え、
また、その+の費用を住んでからの費用(光熱費)や住み心地が良くなることとして置き換えることが出来るか、になります。
例えば、上記でお伝えした3つの項目で考えれば、もしかすると、価格的な所とデザイン的な所を考えて優先順位を①窓庇→②熱交換型の換気システム→③窓→④断熱材の仕様UPとして、予算とにらめっこするのも一つです。
(住み心地に関しては、先回の記事でもお伝えしましたが、フローリングをムク材に変える(ムク材の種類による違いもあります)など、色々な方法がありますので、違う観点も必要だと思います。)
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性能とデザインのバランス
また、家づくり全般でのアドバイスとしては、ハード面(性能など)だけで家をつくるのは今の時代に少し合わないです。デザイン性も大切ですので、うまくバランスを取った家づくりが出来ると良いかと思います。性能は良いけど…かっこよくはない!では、少し寂しいです。
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通風の概念を覚えよう!
少し最後に、コラム的な感覚で、通風の話もさせて頂ければと思いますが、
- 夏涼しく過ごす事
- 夏の冷暖房費を抑える為
を考えると、家で溜まった熱の排気(循環)も大切な要素です。
溜まった熱の排気に関しては、②でお伝えした熱交換の換気システムを入れて頂く事も一つの対策になりますし、熱交換換気の商品の中には、除湿(ユニット)も併せてできるものがあったりしますので、そういった“夏を快適にする為の設備”を考えてもらう事も一つです。
その上で、話を“風通しの良い”に戻しますが、窓を開けた時に、心地よい風を感じる事が出来るか?によって、体感温度を下げ、家全体の淀みを無くす事も出来ます。
少し参考にして頂ければと思い、本のご紹介です。
参考図書:通風トレーニング [ 南雄三 ]
を読んで頂くと良いと思います。
夏を快適に過ごすための概要として、どう窓配置すれば、換気が最大限に出来るのか?
夏は湿度の話として、窓の種類による通風計算の違いや南側(風上)に窓がつけられない場合の対処方法などが具体的に数値として科学されています。
途中、難しい計算式が出てきたりしますが、全然内容は解ります。サクッと2~3時間で読めますので、参考にして頂ければと思います。
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このイラストのように、どのように窓を設けると、換気が出来易いのか?が書いてあり、参考にして頂ければとも思います。
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↓↓↓参考記事はこちら↓↓↓
先々回の記事:2017年は価格の2極化、性能での差別化ができない!がより進む?
先回の記事:気密・断熱性で“先ず!”知っておくべき3つの事
参考記事1:快適な家を“もう一度”考えてみる
参考記事2:高気密・高断熱の10個の注意点
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