Rebro at home 牧原(以下:牧原):思った以上に反響があるこの対談企画ですが、今回からのテーマは、“比較検討”に関する話です。
家づくりを考える上で、今や競合無しで1社だけで決める!と言う方も少ないと思います。そういった意味で考えれば、この比較検討と言うテーマは、皆様にとって、非常に重要な話になるように思います。
その為、個人的には、なるべく多くの話をアキラさんに聞いて見たいと思っておりますし、具体的な質問もしていきたいと思っております、…よろしくお願い致します。
『2015年こそは!家づくりを!!!』
という方にとってみれば、今まさに旬!な方もいるかもですね、是非ご参考頂ければと思っております。*インタビューアー:牧原、回答者:アキラ
目次
実際の家づくりにおいて、会社選びのポイントで一番重要なポイントは?
牧原:いきなり、核心的な話をしますが、アキラさんが考える、『会社選びで一番重要な所』、もちろん、色々とあるかとは思いますが、その中でも、これだけは外せない!といったポイントなんかがあればお教え下さい。
アキラ::「これだけは外せない!」は、「住宅の基本性能」の部分です。
もちろん、「間取り」や「デザイン」は重要ですが、そこは「担当者」の力量によるところが大きいと思います。ので、会社選び、という観点であれば、「住宅の基本性能」を最も重視したいです。
メルマガ読者から相談を頂くときに特に注意するのは、「断熱・気密」の仕様です。「住宅の基本性能」の中で、「断熱・気密」が最も重要、というわけではありません。
「構造」「防水」「防火」「メンテナンス性」「シックハウス対策」「換気」など全て重要なのですが、未だに一番、蔑ろにされがちなのが、「断熱・気密」なのです。
大手ハウスメーカーの場合は最低でも次世代省エネ基準をクリアしているのでまだ良いのですが、中小の工務店の中には、「次世代省エネ基準」にも達していない仕様の住宅を「エコ住宅」として売っていたりして、びっくりすることがあります。
2020年には、断熱の法規制が始まるのですが、それまではこのような状況は続きますので、気を付ける必要がありますね。
牧原:ありがとうございます、家の基本性能という事ですね。
今の話を、実際に行動を起こす方の為に、少し具体化して3つ聞きますね。簡潔で良いので…いっぱいしゃべってもらってもいいのですが…笑
■ 断熱・気密の数値であげるなら?
■ アキラさんが考える断熱材は?
■ 気密性能は施工品質も大きいように思いますが、気を付ける点はありますか?
の三つの基準を教えてもらっても良いですか。
アキラ:これ、どれも話せば長くなる話題なのですが(笑)なるべく簡単に話しますね。
断熱・気密の数値ですが、これは間取りによります。
通常の部屋と部屋が仕切られている間取りなら、次世代省エネ基準で十分快適だと思います。
一方、開放的で、全体が一室になっていたり、大きく吹き抜けているような家の場合は、トップランナー基準 程度は必要になります。
気密性は、どちらもC値1.0を切るくらいは欲しいです。これは新築のマンションの気密性と同じくらいです。
牧原:C値(気密性)はどんな家づくりでも1.0以下、Q値(断熱性)は部屋が区切られている間取りの場合は次世代省エネ基準(愛知県の数値で言うと、2.7以下)、オープンな空間づくりをする場合は、その性能に+して設備関係もこだわっていこう!という話ですね。*一番下にトップランナー基準のリンク
アキラ:断熱材へのこだわりはありません。高い気密性を保って、正しい施工方法で、求める断熱性能をクリアできるのであれば、どれでも良いと思います。一番、慣れているのは、グラスウールではありますが。
どこで気密層をとるかで変わってくるので難しいのですが、天井、壁は充填断熱で床断熱を採用した場合は、床の気密がうまく行かず、目標数値をとれないことがあります。
床は、給排水管や点検口などもあり、意外に気密施工が大変です。設備屋さんも気密に対して理解していただく必要がありますね。
牧原:断熱も重要で、どちらが!と言う話ではありませんが、気密の話の方がレベルとして満たすのが大変そうですね。断熱性能に関して言えば、多くは大丈夫かとも思いました。
話をして頂いた内容から感じますが、ここら辺は、細かい話を覚えるというよりも、数値として満たせる会社さんかどうか?で建築会社さんを見分ける為の知識として、覚えておくぐらいで留めておいた方が良いかもしれませんね。
C値1.0以下を満たしているハウスメーカーさんは殆どありませんしね…ありがとうございます。参考にさせて頂きます。
どうやって比較検討していけば良い??
牧原:少し話題を変えますね。以前、かえる建築さんのメルマガで仕様をあわせる!という話があったかと思います。
この“仕様を合わせる事”なんですが、実は個人的に色々と見積もり比較のお手伝いの際、難しさを感じている所もあったりします。
例えば、キッチン、お風呂、トイレなどの仕様を合わせるのは、比較的簡単にお客様が指示もできるかと思いますが、それ以外でも仕様をあわせた方が良いのでしょうか。
こういった機械があれば、是非個人的にも聞いてみたいと思っていたことが、この仕様をあわせるという事に対してですが、お願い出来ますか?
アキラ:いい質問ですね!(笑)
住宅設備に関しては、おっしゃるように比較的簡単に揃えられますよね。
施主がリクシルなどのショウルームに行って、見積もりを取ったものを建築会社に配ることも可能です。
仕上げも指定することは可能です。
構造や断熱は、それぞれの会社で得意としているものがあります。
それは尊重しつつ、例えば、構造は、耐震等級2にしてもらう。
断熱は、次世代省エネルギー基準をクリア、気密性は、C値1.0以下にしてもらう、など性能を指定していきます。
急に専門用語が増えてしまい申し訳ないのですが、、、
読まれていて、お分りかと思いますが、この、「仕様を合わせる」をするためには、施主もある程度は、学ぶことが必要です。
施主にとって学ぶ、ということは、家を見る目を鍛える、ということでもあります。注文住宅を建てようという方が「家づくりの情報弱者」であることは、とても危険です。
なぜなら、建築会社から提案されている住宅が、自分たちが求めているものなのか?を理解することが出来ないからです。
といっても、牧原さんや私のメルマガやブログを読んでいれば、自然と知識はつくと思いますので、安心してください。楽しんで学んでいってほしいと思います。
牧原:…ありがとうございます、頑張ります 笑
確かに建築会社さんによっては、仕様を合わせられる範囲が違いますよね。例えば断熱材はグラスウール以外はダメという所もありますし…そういった所はその会社さんの考えを尊重しつつ、先ずは、家一軒がどういった部材をつかって出来ていくのかを一緒に学んでいきましょう!という事ですね。
間取りの見方、比較検討の仕方などあれば、お教え下さい。
牧原:比較検討のテーマは、一回だけでは終わらないですね…笑
とりあえず、今回は、聞きたい事をバーッと聞くぐらいになってしまいそうですね…第二弾やりましょう。
ではでは、次にこの話を聞かせて下さい。競合比較する時は、見積もり…家のお金って勿論大切だと思います。
だけど、それと同等に提案内容というのも大切で、私のブログなどにくる相談者さんの中でも、多いのが、『この間取りってどうですか?』という内容も多くあります。
そこで、かえるけんちくさんにご質問です。ざっくりとした質問になっちゃいますが(笑)適切な間取りの見方、比較検討の仕方などあれば、お教え下さい。
アキラ:私も間取り相談は受けるのですが、実は間取りだけみても、それが良いかどうかは判断出来ない、ということです。
もちろん、「え、、、まじ、ここに住むの?」というような間取りもあるのですが(苦笑)、施主の生活スタイルを考えて、いきついた間取りである可能性もあるわけです。
なので、必ず、どんな家族が住むのか?どういう生活がしたいのか?などをヒアリングしてから回答しています。
その後、私がするのは、この家族は、朝起きてから夜寝るまで、どんな風にこの家で生活するのだろう?を想像することです。
- 起床した時、どのように光が入ってくるだろ?
- 家族はどこで着替えるだろう?
- 食事はみんなでとるのかな?バラバラかな?
- 共働きなので、家事に使える時間は少ないよね。
などなど、想像を膨らませます。
その上で、
- 「この動線は使いにくいよね」
- 「この窓は近隣からの視線が気になるね」
- 「ここに窓があると、隣の庭が見えてよいよね」
などの指摘をしてあげます。
これを「間取りに暮らす」と言います。
「間取りに暮らす」ことは、色々と間取りや建物を見ていけば、一般の方でも出来ることです。住宅展示場に行った時に、もらった間取り図と実際の空間を見比べてみる、などすると、「間取りに暮らす」力が鍛えられます。
この「間取りに暮らす」ことを通じて、どの間取りが自分たちの暮らしをよりよくしてくれるものか?を理解することが出来ると思います。
「間取りに暮らす」は是非やってほしいのですが、もう一つ、間取りを見る上で簡単な方法は、間取りにソファやダイニングテーブル、TV,ベッドなどの家具を書きこむことです。私は間取りに家具を書くことは基本だと思うのですが、書かない(考えてない)間取りも多くみられます。それらには自分で家具を書きこんでみてください。するとスケール感もわかりますし、どれだけ考えて設計されているかが、理解できます。
牧原:間取りに暮らす…いい言葉ですね。
そうですね。ソファやダイニングテーブルなどの寸法なども正確に落とし込んでいく作業をしようと思うと、意外とどんなソファにしたい?から色々とイメージの発想が広がる事もありますよね。
具体的に言っていただいた生活シーンは、まだまだ沢山ありますし、そのご家族特有の生活というのもあると思いますので、是非やってみて頂ければと思います。
施工店は1社がいい?それとも相見積もりで決める?
牧原:最後に少し話が比較検討とは異なってきてしまうのですが、興味があって聞きたい事があって、それが、建築家さんの家の価格出しに関してです。
建築家さんの中には、大きく2つのタイプがあると思ってて、設計図を仕上げて、いざ見積もり!となった時に、
何社も相見積をとる建築家さんか、施工店を初めから決めている建築家さん
の二つのタイプ。
この二つのタイプに関して、お客様が得られるメリット、デメリットなんかがあれば、意見をお聞かせ下さい。
アキラ:確かに二つのタイプがあるのですが、どちらにしろ、数社見積もりをとる形でお願いした方が良いと思います。
もちろん、設計事務所には、自分たちが信頼している建築会社があるはずですが、それとは別の工務店も相見積もりをしてもらうことで、価格的にも適正になりますし、施主としても納得できます。
どの工務店に決めるかは、価格だけでなく、その力量なども設計事務所から説明を受けた上で、最終決定をすればよいかと思います。
設計者とは、打ち合わせをしていくうちに仲良くなりますし、それは良いのですが、なあなあ、になってしまう部分も出てきます。
自分たちが建てようとする家が、その価格に見合うものなのか、を冷静に判断するのは施主のもっとも大事な仕事です。設計事務所と設計契約を結ぶ段階で、相見積もりを希望することを伝えておきましょう。
牧原:ありがとうございます。多分、後々この記事を書き起こししている時に思うと思いますが、容量いっぱい、とりあえず聞いた。感が出てくるかも…汗
少し各自補足説明をした方がいいかもですね。
ではでは、
次回の対談は、私が回答者となって、同じテーマでの対談です、また違った意見として楽しんで頂ければ幸いです。
*参考:わかりやすい気密講座【かえるけんちく相談所】|これからの断熱を考える【家づくり教室】
また、各自のメルマガや無料相談は随時受け付けていますので、家づくりに関するお問合わせがあれば、お問合わせ下さいね。
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