先回、家を建てる費用の話で、積算の話をしました。
その続きになりますが、今回は、意外と思われる話をします。
家のお金を計算する際、積算というのが一般的な家のお金の計算方法なのは先回お伝えしました。
その中で、実際に家を建てる為の見積提案を受けてみると、
- 『あそこは細かい見積りすら出てこない』
- 『あそこは家の費用が細かくて信用できる』
なんて声も出てきます。
この感覚はとても重要なのですが、そのままだと少し勿体ないかもしれない為、注意しておきたい内容をお伝えしていこうかと思いました。
家の工事を下請け業者に頼むときの費用は、積算で発注していない
ここの意識はあまりないかもしれませんが、工務店やハウスメーカーの下には下請けに入ってくれるそれぞれの専門業者がいます。
基礎屋さんとか左官屋さんとかですね。
で、
実際に、そういった下請け業者さんに工事依頼する場合、多くの場合、細かい積算で発注依頼なんかしていません。
しってました?
大抵の場合、家の大きさから、決められた賃金で発注している所も多いんです。
例えば、
40坪の大きさの家だから20万円/坪で2ヶ月間でここまでの大工工事をやってね!800万円ね!
という感じだったりします。
特に、大手ハウスメーカーさん、ローコスト系の会社さん、建売業者さんの場合は、殆どがそんな感じだと思ってもらったほうがいいと思います。
わかりますでしょうか?
実際の下請けへの発注依頼は、かなりざっくりなんです。
しかも、通常の下請け依頼は、その会社の提携業者の為、殆ど事前の取り決めで単価の価格も事前に決まっていたりしてます。
つまり、
つまりですよ、
積算価格表は、あくまでお客様へ、その見積りの正当性を伝える為だけに存在しているという事なんです。
*ちょっと言い過ぎな感もありますが…
勿論、
- キッチンやお風呂
- トイレや洗面
- ドアなどの建具関係など
積算できる部分で、実際にそのまま発注するものもあります。
が、
あくまで、単体として見分ける事ができ、それにより、グレードUpがわかりやすい項目に限ります。
実際の発注は積算で発注していないんですね。
家の費用の注意点
これらの話をした上で家の費用の注意点をお伝えします。
判りにくいので、まず例を出しますが、
あるメーカー系の見積りの中には、釘一本から積算項目が入っている会社さんがあります。
とても細かく書いてある見積りです。
しかし、
上記のような施工体制を考えた場合、その見積りの妥当性を考えると、細かすぎても逆に不自然となってくる場合があるんです。
ここら辺は、建築会社が下請け業者に家の依頼をする流れを汲んで頂ければわかりますが、最終的には、細かいから良いという訳ではないんです。
細かくすればするほど見積りに利益がのる事も…
例えば、釘一本の原価が1円だとして、積算する際のお客様だし価格が2円なら、半分は利益ですよね。
しかし、
実際に下請け業者に依頼する際は、『坪いくらでここまでやって』といった計算です。
つまり、当然釘一本の値段なんて入っていません。
というか計算できません。
釘打ちや部材をノーミスで家一軒、建てるなんて事は不可能だからです。
実際に釘の支給などをメーカーでしている所もありますが、通常5~10%ぐらいは多く部材発注します。*釘一本は少し大げさですが…
下請け大工さんは、釘を自分たちで買ったり、そこまで交通費も自分たちで出してたりします。
ですが、そういった項目はお客様にお見せできませんよね。
つまり、先回もお伝えしましたが、あくまでお客様に出す家の費用と実際の発注依頼は違うという事を再度ご認識頂ければと思います。
少し話が飛びますが、
お客様に出す家の費用=見積が、細かくなればなるほど、その項目毎に利益を載せる事が出来るという事を今回の最後でお伝えしておきます。
発注はざっくりだけどお客様へは細かい見積り
家の費用をお客様に説明する為に最もらしく見える積算ですが、あくまで納得してもらう為という内容は、もうご理解頂けたと思います。
そこで、少しそこから派生して考えてみます。
何を伝えたいのかというと、積算項目で各項目で利益を2割乗せたものがあったとしても、最終的には、家の利益が4割のってる状態がつくれてしまうんです。*家の利益率が2割ならお値打ちな方だと思います。
例をあげると
- 下請けには20万円/坪単価で大工工事を40坪で依頼したら800万円ですが、
- 積算を細かく出してそれぞれの項目に2割の利益を乗せると1200万円となる事がある
という事。
勿論、お願いする業者によっては上記内容は当てはまりませんし、最終的な金額も積算してお金を出してもらった方が、費用が多くかかるという話は、絶対ではありません。
あくまで、そういった事も出来てしまうという事です。
なので、単純に『家の見積もりが細かいから信頼できる!』と言う話でもないので覚えておきましょう。
見分ける必要があるという事ですね。
少しポイントとなる注意点を次回も引き続きお伝えしたいと思います。
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