- 『土地を購入するときの流れは??』
- 『お金の支払いって…諸費用っていつ払えば良いの??』
高い買い物であるからこそ、土地を購入する流れや、その都度必要な諸費用が、“いくら必要で、どのタイミングか?”というのは気になる所で、土地の購入前に知っておきたい知識としてまとめてみたいと思います。
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目次
01.土地を購入するまでの流れ(それぞれの期間)
はい、という事で、先ずは土地を購入するまでの流れを把握していきたいと思います。
主な流れとしては、
- 0.土地探し
↓[良い土地が見付るまで] - 1.買付証明書を出す
↓[期間:1~2週間程度] - 2.売主さんと土地の売買契約
↓[期間:1~2カ月程度] - 3.土地の決済(所有権の移転)
といった4つのステップで進んでいきます。(それぞれの期間を書かせていただきました。)
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先ず用語の説明と大まかな流れの説明をした後に、お金の流れの解説をしてみたいと思います。
また、[0.土地を探す]に関しては、地道に探して頂く必要がありますが、以前の記事で、知っておきたい土地の10通りの探し方◆を書かせて頂いておりますので、そちらをご参照下さい。
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1.買付証明を出す(購入の申し込み)
さて、インターネットや不動産屋さん経由で土地探し、実際に土地を見に行く。そこで『よし、ここなら!!』という土地が見つかったとします。
その後の手順としては、
01.買付証明(買付申込)を出す。
を行う必要があります。この買付証明というのは、そもそも何かというと、その土地の所有者(売主)に、書面をもって購入の意思表示をすることです。
あくまでこちら側(購入検討者さん側)の意思表示となり、その意思の中には、
- 価格交渉をする
:あと50万円価格を下げて! - 条件交渉をする
:引渡しの時期はこのタイミングが良い!
などの条件も合わせて意思表示をする事が出来ます。このような条件を売主さんに書面で提示して、初めて交渉の場に立てるという話です。
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注意点1:買付証明書に法的な拘束力はない!
さて、この買付証明書ですが、注意点が2つあり、まず、知っておきたい項目としては、“買付証明書に法的な拘束力はない!”という所があります。
買付証明は、あくまで条件交渉為の意思表示となるため、良くも悪くも、法的な責任は伴いません。
買付を出したからと言っても、購入者さんは、その土地を買う義務は発生しません。また、売主さんは、買付交渉がまとまったとしても、罰則なく別の人に売ることができます。
例えば、2000万円の土地が売りに出ていて、Aさんが1900万円で買付を出したとします。B不動産の営業さんが頑張って交渉して、1週間後に売主さんを説得できたとします。
交渉がまとまり、いざ契約を!となった矢先に、Cさんが売主さんに『2000万円で買う!』という話を持っていった場合、売主さんはCさんを選んでも良いという話です。
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不動産業界の慣例的な話をすれば、“買付を出した順番に交渉権がある”です。
なので、通常は、上記のような満額の条件がCさんから出てきた場合、Aさんに対して、
『満額回答が出てきたので、もし満額でダメなら、第二番手に買って貰う事になりますが、如何でしょうか?』
という話が来るのが一般的ではあります。ただ、本当に良いなと思った土地と巡り合った場合、この買付証明で価格条件などを追加してしまう事で、上記のような第二番手に取られてしまうという事もあったりするところは覚えておきたい話です。
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注意点2:住宅ローンの事前審査
もう一つの注意点は住宅ローンの事前審査の話です。
一般的な話として、買付証明を出してから、条件交渉の成立、土地の売買契約までの1~2週間程度の間に、こちら側(購入検討側)としては、“どこかの住宅ローン会社さんに希望金額で事前審査を出し、OKをもらっておく”必要があります。
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このタイミングは、『契約後に住宅ローンが通らずに、話がゼロになりました!』という事態を未然に防ぐ為の行為で、住宅ローン会社さんを決める必要はなく、あくまで、何処かで仮審査を通しておければ良いという話になります。
また、最近、銀行ローンで審査が通らずに契約が無くなるケースも多くなっている事もあり、住宅ローンの仮審査を通した状態じゃないと、買付を受け付けてもらえない場合もあります。こちらは仲介(間)に入る不動産屋さんに事前に確認をしておきましょう。
はい、以上が買付を出す際の流れと注意点になります。
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2.売買契約(と媒介契約)
交渉が上手くいった次は、“02.契約”になります。
因みに、通常、“買付を出してから売買契約までは、1~2週間程度の期間”ですので、この期間の感覚は覚えておいて頂ければと思います。
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媒介契約もこのタイミング
また、余談とも言える話なので、そこまで気にされなくても良いかとは思いますが、この売買契約のタイミングで、不動産屋さんと買主さんとの間で媒介契約というのも交わします。
媒介契約って何??となるかと思いますので、簡単に説明すると、
『この土地を、A不動産で仲介します。その際、報酬となる仲介手数料は●●万円、A不動産にお支払いします。』という契約が、媒介契約になります。
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はい、その上で、売買契約になります。
売買契約とは、買主さんと売主さんで交わす契約書になり、買付の条件交渉の結果をまとめたものを契約書として記名捺印をする行為になります。
基本的な書類作成やダンドリは、不動産屋さんがしてくれるので、買主さんとしては、流れだけは知っておけば大丈夫です。
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重要事項説明書
さて、この売買契約時に最も大切な項目として、契約書と同時に交わされる重要事項説明書というものがあります。
重要事項説明:その土地の購入判断にあたり、その判断が変わってしまうような内容、また基本的な情報の説明を契約書とは別でしないといけないことが宅建業法として決まっており、その説明書になります。
重要事項に関しては、説明義務が宅建業法で義務付けられており、不動産屋さんは必ず資格者(宅建)から説明をする必要があります。
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こちらも、売買契約のタイミングで書面に記名捺印をしていきます。
因みに、重要事項説明の説明は契約前に、事前に説明を聞いておく必要がありますが、多くの不動産屋さんでは、契約時に重要事項説明の読み合わせをして、そのまま契約するようなダンドリとなる事が多いです。
ただ、上記の話の通り、重要事項説明は、“その土地を購入する際、判断する為に重要な事項の説明”になるので、事前に聞いておきたい所です。
という事で、不動産屋さんに対しては、『重要事項の説明は契約前に事前に聞きたいです!』という旨をお伝えしておいて頂くと良いかと思います。
以上が売買契約時の話で、契約時には、
- 媒介契約
- 重要事項説明
- 売買契約
の3つに対して記名捺印が出てきます。
*契約書に押す印鑑ですが、実印を押される方が多いですが、実印じゃないとダメという話でもありません。
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3.土地の決済(引渡し)
最後は、“03.土地の決済(引渡し)”になります。
この決済が終われば、はれて、土地が自分たちのものになり、建築工事を始める事ができるようになります。
土地の決済:
とは、土地にかかる費用を買主さんから売主さんへ支払い、その支払いを受け取った事の証明として売主さんから買主さんへ領収書を渡す。
また、登記上でも、土地を買主さんのものにする為に、司法書士の先生に頼んで、土地の登記名義を買主さんへの移してもらう作業の事です。
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決済の場所は、通常は、住宅ローンを組む銀行さんになる事が殆どです。(若しくは、買主さん側の利用している銀行さんでやります。)
また、“03.土地の決済”までに、住宅ロ―ンを組み(銀行を決め)、銀行さんとの契約を済ませる必要があります。
その一方で、売主さんは、“売買契約に基づいた条件を整える”必要があります。
例えば、古家があって、解体が必要な場合は解体して更地にする。敷地の測量をして、正確な土地の面積を出すなど。が必要となります。
通常、土地の契約から決済までのお互いの準備期間として、“1~2ヶ月”がかかりますので、覚えておきましょう。
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土地を購入するまでの流れ→“家”はどうする??
はい、という事で土地の大まかな流れはご理解頂けたと思いますが、その上に立てる家の話も少しだけしておきます。
【01.土地の買付→03.土地の決済】までに、当然ながら建物の話を進める必要があります。
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1.買付~2.売買契約までの間
建物の流れをお伝えすると、上のイラストを参考にして、説明していきますが、
①.建築会社さん探し&②提案を出してもらう
はい、先ずは建築会社さん探しをこの①の期間で行っていきます。理由は、【1.買付】の前後のタイミング、②の期間で、建築会社さんから間取りや見積もりを出してもらう必要がある為です。
土地探しを始めたら、同時並行で、気になっている会社さんの価格観などは知っておきたい所です。
ただ、最初は土地がある訳では無い為、過去の事例などの話を聞き、良い土地が出てきたら、担当者さんに直ぐに声をかけて、提案と予算を出してもらえる準備をしておく感覚です。
『これなら希望に沿うね!』となる間取り提案が出てくれば、買付を出すぐらいの感覚で良いかと思います。
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2.売買契約~3.決済までの間
次に、2の土地の売買契約が済むと、土地の決済までの期間に、
③.建築会社さんの決定&間取り決定
を行う必要があり、理由としては、住宅ローンの事を考えなければいけないからです。土地の決済までのタイミングで
- 建築会社さんの決定
- 間取りの決定
が出来るとベターです。
住宅ローン金額の決まり、具体的な引越しのタイミングも解りますし、計画的に家づくりが出来るようになります。
もちろん、と言っても、絶対に建築会社さんを決めていないといけないか?間取を決めないといけないか?と言うとそうでもありません。
土地の決済後は、住宅ローンの土地部分の支払いは始まりますが、それが許容出来れば、建物は焦る必要もありません。
(銀行さんの中には支払いタイミングで融通が利く場合もありますので、各銀行さんの調査は必要です。)
例えば、賃貸などに住んでいる場合は、家賃+住宅ローンとなる方もいる為、なるべく負担を少なく出来るようにするには?という話です。
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土地の決済後
はい、土地の決済後は、土地が自分たちのものになりますので、その後は、家をつくる為の工事に入ることができます。
というのが一般的な家づくりの流れになりますが大よそで掴めましたでしょうか。
*絶対ではないので、目安として、知っておいて頂くと良いかとも思いますし、出来ないとダメという事もありませんので、もし心配になった方は、メールでもご相談下さいね。
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自己資金はいくら、いつ必要??
ここでようやくお金の話、必要な自己資金、諸費用とその支払いタイミングの話をしてみたいと思います。
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1.買付証明~2.売買契約まで
この間にお金が必要な事は一般的にはなく、その間に住宅ローンの仮審査の手続きをしたり、重要事項説明を受けるだけです。
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2.売買契約の際に必要なお金
次に、2の契約時には、
①.売主さんへ手付金の支払い
(一般的には、物件価格の10%程度)
②.仲介手数料の半金の支払い
③.契約時に必要な印紙代
が必要になります。
手付金は、通常、土地購入代金の一割が一般的ですので、2000万円の土地であれば、200万円の手付金を支払う事になります。
ですが、
例えば、今すぐ用意できるお金が200万円出来ずに、手付金は100万円(もしくは10万円など)としたい。という話もあるかと思いますが、そちらは、不動産屋さんに相談し、売主さんとの交渉ごとになっていきます。
また、
仲介手数料は、3の土地の決済時(最後)に一括で支払うなども話が出来る不動産屋さんも多いかと思います。
*不動産屋さんの中には、“仲介手数料の半金は必ず頂く”としている所もあるので、確認は必要です。
後は、売買契約書にはる印紙代ですね。金額にもよりますが、1000万円を超え~5000万円未満であれば、印紙代は1万円になります。
という3つが契約時に必要なお金になりますので、覚えておいて頂ければと思います。
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3.土地の決済時に必要なお金
はい、最後は土地の決済時に必要なお金ですが、必要なお金は以下の通りです。
①.土地の残金
②.仲介手数料の残金
③.固定資産税の清算
④.所有権移転費用
(司法書士への報酬や抵当権設定登記も含め)
⑤.住宅ローンの費用
が必要になります。
例えば、2000万円の土地で手付金を200万円のみ支払っていたとしたら、
①.土地の残金:1800万円
②.仲介手数料:66万円に消費税
③.固定資産の清算:土地の評価額にもよります。
④.所有権移転費用:30~40万円ぐらい(詳しくは司法書士へ)
⑤.住宅ローン費用:30~50万円(詳しくは銀行にて)
という費用がかかります。
これはら、全て、住宅ローンで支払う事も出来たりするので、支払い計画など含めて、不動産屋さんや銀行さんと打合せをすることになります。
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さて、ここで、土地の諸費用に関して、簡単に説明致しますが、
諸費用1:固定資産税の清算
固定資産税の清算は、毎年かかる土地の固定資産税の支払いのことでそちらの清算になります。
その年の1月1日時点での所有者の所にその年の固定資産税の請求が届く為、売主さんが支払いをしないといけませんが、途中から土地の所有者が買主さんに変わりますので、その清算をする必要があります。
売買契約前後のタイミングで、『土地の固定資産税価格がどれぐらいか?』は、不動産屋さんを通して確認しておいて頂くと良いかと思います。
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諸費用2:所有権移転費用
所有権移転の費用に関しては、
- 司法書士の先生の報酬
- 移転の為に必要な登録免許税
(固定資産評価額の1.5%)
(住宅ローンを土地でも組む場合は、抵当権設定費用) - 謄本取得費用
などをまとめた費用の事を言います。
正確な移転費用の金額は、土地の評価額、住宅ローンの金額によって計算されます。
が、大よその目安としては、例えば2000万円の土地で住宅ローンを組む前提(抵当権設定費用は、住宅ローンを1500万円ぐらい組んだ場合は6万円)で考えると、司法書士の報酬も含めて、30~40万円程度である事が多いです。*ローンを組まない場合は20~30万円ぐらいです。
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諸費用3:住宅ローンの諸費用
住宅ローンに関しては、
- 保証料
- (抵当権設定費用)
- 事務手数料
- 印紙代
- など
が、かかってきます。
こちらは、必要な費用、支払いタイミングは銀行さんによっても変わりますので、銀行さんに確認をして頂ければと思います。
大きく金額が変わる所をお伝えしておくと、[保証料を金利に上乗せするか、事前に一括で支払うか?]で諸費用が70~80万円ぐらいかわってきます。
- 事務手数料:3~10万円程度
- 抵当権設定費用:所有権移転費用で話をしておりますが、一般住宅の場合は住宅ローンの借入金額に対して4/1000となっている為、例えば、1500万円の住宅ローンを組んだ場合は、6万円に司法書士の報酬2~5万円程度必要になります。(10万円程度が必要になるという事ですね)
です。
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土地の決済後、引渡し後に必要なお金
また、その他に、不動産取得税と言って、不動産を取得した際にかかる税金があります。
こちらは、取得後1~2月後ぐらいに県から請求が来ますが、こちらは税金の控除が受けられる事も多く、かからない場合も多くあります。
参考にして頂けそうなリンクを貼っておきますので、チェックしてみて下さい。
参考リンク:かんたんに不動産取得税を計算する方法とよくある質問まとめ(相続税相談ナビ参照)
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まとめ
長々と書いていきましたが、如何でしたでしょうか。
それぞれのタイミングで、それぞれに必要なお金というのもある程度知っておいて頂く事で、現金の用意などをスムーズにできたり、事前に相談が出来る事になりますので、覚えておいて頂くと良いかとも思っております。
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今回は、“土地購入までの流れ”と“必要な費用の話”でした。色々と書かせて頂きましたが、もし、訳が分からなくなってしまったら、不動産屋さんに何度でも確認するしてみて下さいね。
↓↓↓参考記事はこちら!↓↓↓
参考記事1:土地購入の流れと注意点(*土地探しから、売買契約までの流れを詳しく書いてます。)
参考記事2:不動産仲介手数料は上限が決まっているだけ
先回の記事:家のデザインを考える:価格UPの応用編
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